自治体法務の備忘録

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判決

鞆訴訟取り下げ案 県・福山市に大きな波紋

1審・地裁は09年10月、「事業が鞆の景観に及ぼす影響は重大」で、埋め立て申請の前提となった調査や検討は不十分だったとして、知事に埋め立て免許を交付しないよう命じる判決を下したため、県が控訴。直後の同年11月に就任した湯崎知事は、原告ら事…

耐震偽造に係る損害賠償請求控訴審

先般ご紹介いたしました(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20101029/p1)、耐震偽装を巡る損害賠償で県の責任を認めた第1審を破棄した控訴審の判決文がアップされていました。 被控訴人が施主として建築し,経営しているホテルについて,元1級建築士による耐…

県の責任認めた1審判決破棄…強度偽装控訴審

姉歯秀次・元1級建築士による耐震強度偽装事件で、愛知県半田市のビジネスホテル「センターワンホテル半田」の運営会社(中川三郎社長)が、「適正な審査を怠り、偽装を見逃した」として、建築確認をした愛知県と、コンサルタント会社「総合経営研究所(総…

最高裁判所移管の裁判文書(1,642冊)の目録公開

atsujimuraさんがご掲載の記事(http://d.hatena.ne.jp/atsujimura/20100701)で、国立公文書館に移管された裁判文書の目録が公開されたことを知りました。以下は公文書館のサイトから 1.最高裁判所から移管された明治8年(1875)から昭和30年(1955)まで…

阿久根市賞与、市長が独断で半減

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が独断で、一般職員211人や市議16人、市長のボーナスをほぼ半額にする条例改正の専決処分を28日に行ったことが分かった。市職員労働組合や市議会に説明をしないまま頭越しで強行しており今後、対立の激化は必至とみら…

議会の債権放棄

「判例地方自治」の最新号(H22年6月・329号)、「法律相談コーナー」に寄せられた標記の事例に対しての阿部泰隆教授(中央大学)のご回答がとても刺激的で興味深い内容です。ご興味あればご一読を。 貴市には大きな誤解があります。 (略) 法学部で基本的…

審査基準の設定と処分の取り消し

昨日の記事(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20100519/p1)で、都道府県の許認可の基準について地方自治法を確認しましたが、拙blogをご覧の方はご承知のとおり、行政手続法には、行政庁に対する申請に際しての審査基準の規定があるところ、このたびの自治紛…

土地の一部を有償貸与へ 政教分離訴訟で砂川市

北海道砂川市が市有地を「空知太神社」に無償で使用させているのは憲法の政教分離原則に反するかどうかが争われ、最高裁が違憲として審理を札幌高裁に差し戻した訴訟で、砂川市は20日、宗教関連施設を一カ所に集め、地域住民らに有償で貸すことで住民側と…

原告適格、墓地から百メートル−東京地裁、異例の認定

杉原則彦裁判長は、その上で「設置許可は行政の裁量の範囲内」として30人の請求は棄却。約127・5メートル先に住んでいる1人については却下した。 (略) 墓地の設置場所は「住宅、学校などからおおむね100メートル以上」と定めた都条例に基づき、…

沖縄密約認め開示命令 東京地裁判決

1972年の沖縄返還に絡み、日米両政府が交わした密約文書の開示を求めた訴訟の判決が9日、東京地裁であった。杉原則彦裁判長は密約の存在を認め、「外務省と財務省は不開示決定当時に文書を保有していたと認められる」と判断し、両省に文書の開示と総額…

ウィキペディア丸写しで書面間違い 妊婦死亡訴訟で町側

奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中の妊婦が19の病院に転院の受け入れを断られた末に死亡した問題で、遺族が町と担当医師に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟で、被告の大淀町側の代理人が事実と異なる経緯を準備書面に記載していた…

マンション:9割完成 建築確認取り消し 最高裁判決

タヌキがすむ東京都新宿区の住宅跡地へのマンション建築を巡り、反対する周辺住民が区を相手に建築確認取り消しを求めた行政訴訟の判決で、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は17日、区の上告を棄却した。区側逆転敗訴の2審・東京高裁判決(1月)が確…

『条例制定は訴訟対象』 保育園民営化 最高裁 保護者ら請求は棄却

横浜市が実施した四つの市立保育園の民営化をめぐり、保護者ら四十一人が「性急な民営化で保育の質が悪化した」として、民営化取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)は二十六日、保育園を廃止・民営化した条例制定につい…

保育園民営化訴訟で原告の訴え却下 「権利侵害、著しくない」仙台地裁

半鐘さんがご掲載の記事(http://hanshoblog.blog50.fc2.com/blog-entry-207.html)経由で 仙台市が10月から市立保育園2カ所を民営化するのは、保護者や園児の権利を侵害しているなどとして、保護者らが差し止めを求めた訴訟の判決公判が28日、仙台地裁…

元課長弁護人「妥当な判断」 飲酒運転で懲戒免取り消し確定 加西市長「世間感覚とズレ」

原告側の平田元秀弁護士は、姫路市北条の県弁護士会姫路支部会館で「酒気帯び運転への厳正な処分は必要だが、事案を考慮し、適切に処分することが必要」と述べ、「元課長は38年間まじめに勤めてきた。日常的に飲酒運転をしておらず、人身事故もなかった。…

判例百選が届いた

民法判例百選1 総則物権 第6版 (別冊ジュリスト No.195)作者: 中田裕康,潮見佳男,道垣内弘人出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2009/05/30メディア: ムック購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る私「百選が横書きになったときは、そりゃ…

最高裁逆転判決

小学校の教員が,女子数人を蹴るなどの悪ふざけをした2年生の男子を追い掛けて捕まえ,胸元をつかんで壁に押し当て,大声で叱った行為が,その目的,態様,継続時間等から判断して,国家賠償法上違法とはいえないとされた事例 http://www.courts.go.jp/sear…

耐震偽造判決(名古屋地裁)

判決時にご紹介しました(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20090309/p2)、耐震偽装で愛知県の責任認めた名古屋地裁の判決文がアップされていました。 (【kei-zu注】違法建築の状態について記述)とされていることが,いずれも建築の専門家としての常識又は一…

耐震偽装訴訟、群馬県への損賠請求棄却 前橋地裁

姉歯建築士が関与した耐震偽造事件について、また一つ興味深い判決が出ました。 耐震強度偽装事件に絡み、構造計算書が改竄(かいざん)されていた群馬県渋川市のビジネスホテルを運営する川村建設(さいたま市)が、建築確認した群馬県に補強工事代など計約…

午前1時半まで飲酒→就寝→午前10時半に摘発 酒気帯び免職『過酷すぎる』 津地裁判決

堀内照美裁判長は判決理由で「飲酒後八時間余りが経過し、睡眠をとった後の運転で、交通事故にも至っていない」と指摘。「悪質性の程度は低い」とした。 (略) ほかに交通違反歴や県職員としての処分歴がなく、養うべき妻子がある点などに触れ、免職は公務…

専決者と個人的な賠償責任

課職員の事務執行の誤りにより市に損害を与えたことについて、その監督責任を起因として個人的な賠償責任までをも認めた高裁判決が日本中の専決権者を震撼させたのは記憶に新しいところです。 事例から学ぶ住民訴訟作者: 大阪府市町村振興協会,おおさか市町…

耐震偽装で愛知県の責任認める 名古屋地裁

いささか旧聞に属しますが、先月24日、愛知県が建築確認を行った耐震強度偽装事件について、判決要旨が報道されていました。なお、判決文自体は、ウェブ上では確認できないようです。 建築主は建築物の安全性に一義的な責任を負うが、通常は専門家でないた…

保育園民営化、訴え却下=横浜の保護者ら逆転敗訴−東京高裁

横浜市が2004年に実施した市立保育園の民営化をめぐり、保護者らが同市を相手取り、民営化取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は29日、「早急な民営化は違法」とした一審横浜地裁判決を取り消し、保護者らの訴えを退けた。原告側は上告…

情報公開法とインカメラ審理

先般ご紹介した(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20090119/p2)、国の情報公開に係る裁判におけるインカメラ審理について、情報クリアリングハウス理事のblogに詳細が掲載されていました(半鐘さんの記事のコメント(http://hanshoblog.blog50.fc2.com/blog-e…

情報公開訴訟:「インカメラ審理」を却下 最高裁が初判断

半鐘さんがご掲載の記事(http://hanshoblog.blog50.fc2.com/blog-entry-85.html)経由で 国に対する情報公開請求訴訟で、裁判所だけが文書を見て開示の可否を判断する「インカメラ審理」が許されるかが争われた裁判で、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長…

行政訴訟:「タヌキの森」に建築、違法 新宿区が逆転敗訴−−東京高裁判決

タヌキもすむ東京都新宿区の住宅跡地へのマンション建設に反対する周辺住民が起こした行政訴訟で、東京高裁(大坪丘裁判長)は14日、住民側の請求を認めて新宿区の建築確認を取り消す逆転判決を言い渡した。マンションは今春完成予定。住民側代理人による…

公金支出差し止めを命令 泡瀬干潟訴訟で那覇地裁

沖縄県沖縄市の泡瀬干潟を埋め立てて人工島を造成する工事で、住民計約580人が事業を進める県と市の公金支出差し止めなどを求めた住民訴訟の判決で、那覇地裁の田中健治裁判長は19日、「現時点で事業は経済的合理性を欠き、支出は地方自治法などに反し…

倉吉市議会:ダイエーに固定資産税返還 補正予算案可決、市場価値低下と/鳥取

地裁判決は、不動産鑑定などで地域の人口減少や高齢化で集客の増加が見込めない▽床面積が2万平方メートルを超える大型商業施設で他の用途への転用が難しいことなどから、「市場価値の低下」という需給事情を認め、30%の減点補正が必要と判示した。最高裁…

映画「天皇伝説」:公共施設上映巡り、割れる司法判断

皇室を題材にした自主製作映画「天皇伝説」などの公共施設での上映を巡り、司法判断が割れている。いったん会場の使用許可を出した横浜市と東京都渋谷区、杉並区の3市区が許可を取り消したことに対し、横浜地裁は使用を認め、東京地裁は二つの裁判で判断が…

飲酒運転の懲戒処分と弁護士公募

自治体法務に関するメーリングリストで教えていただきました。 【控訴における代理弁護士の公募について】 加西市は昨日、懲戒免職処分取消請求事件神戸地方裁判所判決(平成20年10月8日言渡し)を不服として控訴したところですが、当該控訴の代理人を…