自治体法務の備忘録

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ご参考ください

 春は出会いの季節です。新しい職場で気になったあの人、異動でやってきたあの人に、胸ときめかせることも多いことでしょう。
 しかしながら、仕事場ですから、今後のことも考えると、なかなか気を遣うこともあるでしょう。
 そんなあなたに、ご参考になれば幸いです。

書き方・話し方の実例辞典 ことばの生活百科
昭和55年8月21日初版
昭和55年12月1日3版

 年度末に、書庫の片づけをして、捨てると山積みされた本の中から見つけた面白すぎる本です。当時で3,600円とは、随分な値段ですが、結婚式のスピーチから家出捜索願まで、ありとあらゆる事例の列挙が実用的です。
 ええ、25年前の本ですが何か。
 このたびご紹介するのが、「交際を申し込む」のコーナーの「73 お茶に誘う(職場の女性に)」(152ページ)です。当時は、電子メールなどという無粋ありませんから、誠意を手紙にしたためていたのですね。

 勇気を出して書きます。僕はまことにがらっぱちな男ですので、こんな手紙は苦手です。北条さん、僕と一度お茶を飲んでいただけませんか。僕はあなたへの好意を、職場ではみじんもみせませんでしたが、あなたのきぱきとしたお仕事ぶり、礼儀正しい言葉づかい、そして昼休みには他の女子職員達とバレーボールをしている明るさ、そういったあなたの清潔なお姿が、退社してアパートへ帰ると目に焼き付いて消えないのです。
 まことにキザな言い方ですが、あなたと二人きりでお話がしてみたいと、ずいぶん前から思っていました。口べたな僕と会っても、あなたはちっとも楽しくないかもしれませんが、一度だけでも会ってください。あなたがご迷惑でなかったら、そして少しだけお気がすすんだら、ずっと交際して下さい。
 明日この手紙をお渡しします。一日千秋の想いで、お返事をお待ちしています。

 ・・・最後に「がらっぱち」という単語を聞いたのは、いつのことだったでしょうか。前に勤めていた会社で、先輩の女子職員に「僕の姫様」という書き出しで交際の申し込みをして、ドン引きされた新入社員がいたことを思い出します。(当然、ラブレターは回覧の憂き目に)
 それにしても「ずっと交際して下さい」のあたりが随分と急な展開のように思えるのですが、書いているうちにテンションがあがってきてしまったのでしょうか。「アパートに帰ると」のくだりは、悶々とした様子がなかなか良く描けているとおもうのですけれども(えー
 ご丁寧なことに返信の例があります。「交際の申し込みの諾否」コーナーの「76 お茶を飲むだけでしたら」(154ページ)

 お手紙ありがとうございました。返事遅れてすいません。いろいろ考えて迷っていました。だって、あまりに突然の交際のお申し込みなんですもの、びっくりするやら、ちょっぴり嬉しいやら、また不安やらで、何とご返事してよいものやら、悩んでしまいます。
 でも、平山様のお言葉「会ってお茶を飲むだけでも」に勇気づけられました。正式に交際できるような勇気はありませんが、時々お会いして、お話をするくらいなら結構です。お会いしてがっかりなさっても知りませんよ。
 ご連絡は電話○○○−○○○○に下さいませ。
 右、まずはご返事まで

 北条とか平山って誰だよ!さすがに引用時に番号伏せたけど、明確に記載されている電話番号はどこにつながるんだよ!!
 脈有りなの?遠回しに拒絶されているの?!
 ご参考になったでしょうか(えー