円谷英二は語った。
先日、知人でビデオを持ち寄っての鑑賞会の話を書きましたが、その場である方がお持ちくださったビデオが、昔のTV番組「知ってるつもり?!」で円谷英二を取り上げた内容のもの。
「知ってるつもり?!」は、1回の放映ごとに各界の著名人にスポットを当ててその人の人となり・人生を紹介するものですが、円谷英二といえば、日本における特殊撮影の巨人です。
花見の席のけんかの仲裁がきっかけで映画界入りしたエピソード*1や、公職追放の原因となった「ハワイマレー沖海戦」*2の珍しい映像など見所は多かったのですが、番組中で紹介されていたのが、
人間が想像するものは、すべて映像化できる。
火や水など大自然を再現することは難しい。
という円谷の言葉でした。
番組では、若き日の円谷は優れた技術と知恵で特殊撮影の一時代を築いたが、晩年は特殊撮影の限界を感じて自然に対して謙虚になった、という旨で、関口宏が進行し、加山雄三や堺正章、大林宣彦監督が相づちを打っていたのですけれども、どうにも首を傾げまして。
CGで自由に映像を加工、創造できなかった当時においては、特殊撮影といえば、もっぱらミニチュア撮影であって、円谷が指摘したとおり、火や水はミニチュアサイズのスケールにあわせて動きなどが制御できない。ただ、これは技術論であって、若き日の円谷も承知していたことでしょう。
前者の発言で円谷が言いたかったことは、
- あらゆる知恵と努力で映像の限界を広げていくべきである。
- 技術の限界をもって想像力に限界を持ってはいけない。
という2点でしょう。
自治体法務で言えば、後者は法制執務論であり、前者は政策法務論であるといえます。って、すごいわかりにくい例えですいません。*3