自治体法務の備忘録

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ラブホテルの条例規制、風営法に上乗せ容認 名古屋地裁

 判決で加藤裁判長は「風営法は、条例による上乗せ横出し規制を一切許さない趣旨ではない」との認識を示した上で、「地域の実情に応じて規制し、良好な生活環境の維持、発展を図ることは自治体本来の責務と考えられる」と述べた。
http://www.asahi.com/national/update/0526/NGY200505260006.html?t

 同様の訴訟で真っ先に思い出されるのが、条例と旅館業法との関係が問題になった事例です。
 以下は平岡久教授のサイトから。なぜか最高裁のサイトで見つからなかったので。

【旅館建築不同意処分取消請求控訴事件】最高裁判所昭和 58 年(行ツ)第 52 号
地方公共団体が当該地方の行政需要に応じてその善良な風俗を保持し、あるいは地域的生活環境を保護しようとすることは、本来的な地方自治事務に属すると考えられるので、このような地域特性に対する配慮を重視すれば、旅館業法が旅館業を規制するうえで公衆衛生の見地及び善良の風俗の保持のため定めている規定は、全国一律に施されるべき最高限度の規制を定めたもので、各地方公共団体が条例により旅館業より強度の規制をすることを排斥する趣旨までを含んでいると直ちに解することは困難である。もつとも、旅館業法が旅館業に対する規制を前記の程度に止めたのは、職業選択の自由、職業活動の自由を保障した憲法二二条の規定を考慮したものと解されるから、条例により旅館業法よりも強度の規制を行うには、それに相応する合理性、すなわち、これを行う必要性が存在し、かつ、規制手段が右必要性に比例した相当なものであることがいずれも肯定されなければならず、もし、これが肯定されない場合には、当該条例の規制は、比例の原則に反し、旅館業法の趣旨に背馳するものとして違法、無効になるというべきである。
http://www.hiraoka.rose.ne.jp/C/k830307fok.htm

 今回の判決では風営法への上乗せが議論されたわけですが、興味あるところです。