自治体は「違法な条例」を制定できるか
さて、熊本市の条例が公布されて間もない頃に、私は、ある「政策法務研修」に参加させていただきまして、
条例づくりへの挑戦―ベンチマーキング手法を活用して (信山社政策法学ライブラリイ (4))
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その席で、参加者のお一人が熊本市の条例を参考に、原則閲覧不可で公開を了承した住民だけ閲覧用の住民基本台帳(写)に掲載するという条例(案)を提示されました(今議会で提案された民主党案を考えれば、先見性があったと言えますが)。これに私は、法に委任された政令や省令があり、実務についても詳細な事務要領まで提示されている事務において、かくも無法が許されるものかとおもわず噛みついてしまいました(^^;
私「それに、だって熊本市の条例は、立法の根拠となったこの解釈部分が『キモ』でしょ」
相手「この条例は、プライバシー保護の為の原則閲覧不可が『ミソ』です」
そう言われては、ああそうですか、なんですが。
図らずも、喫緊の問題に対処しようとする担当課に水をさす法制執務担当の役割を演じてしまい、研修最終日のちょっとしたクライマックスでした。
さて、上記は、研修であったからこそ思い切った議論ができたと思いますが、住民基本台帳ではないものの、違法ではないかと想定される条例も制定されることがあります。(続く)