自治体法務の備忘録

管理人のTwitterは、@keizu4080

「法令遵守」へ道険し 談合に揺れた新潟市

 新潟市条例案は、暴力や威嚇で、特定の団体や個人を有利(不利)に扱うように求めたり、仕事で知り得た秘密を漏らすように求めたりすることを「不当要求行為」とする。職員は要求があれば記録し、上司に報告。審査会に諮問し、不当と判断されれば、市長を通じて働きかけをした者に警告が出される。
 また、法令違反があった時、職員は審査会に通報し、審査で問題ありと判断されれば、市長が是正措置をとる。
(略)
 しかし、条例の行方は不透明だ。保守系市議を中心に、「議員活動に枠をはめる」として反対の声が出ているためだ。
http://mytown.asahi.com/niigata/news02.asp?kiji=7508

 憲法では、市長と議会のチェックアンドバランス想定しているところですが、議員が市政について職員へ具体的な要望を行うことについては想定の範囲外でしょう。もちろん、市民から相談を寄せられるお立場から潜在的な行政需要について職員に指摘いただくことは、むしろありがたいことであります。
 選挙で選ばれたお立場として職員は敬意をもって接しているわけですが、もし万一、そのお立場を逸脱し、特定の要望を優先させるようなことがあれば、それは、議員個人のお立場だけでなく、議会の権能が否定されることにもなるのではないでしょうか。また、私も原課に在職の際は「議員の○○先生を知っているんだがねえ」との言葉を添えてクレームまがいのご主張をされる市民の方に一度ならず接したことがあります。そのような場でのお名前の利用は、議員のお名前を汚すものなのではないでしょうか。
 そういった意味からも、議会においては、この種の条例の制定について前向きに検討されることを願ってやみません。