自治体法務の備忘録

管理人のTwitterは、@keizu4080

告示と公告の違い

鳥取市公文規程】

 告示とは、行政機関が、法令などの規定に基づいて公示すべき事項若しくはその権限に基づいて処分し、又は決定した事項、あるいはその他一定の事項を広く管内一般に周知させる場合に用いる行為の形式である。告示は、本来単に一定の事項を広く一般住民に周知させることを目的とする行為の形式であるから、自治権に基づく地方公共団体自治法の形式である条例、規則とは本質的に異なり、法規的な性質をもたず、したがって、一般住民にはなんらの拘束力をも有しないのが通例である。しかし、実質上には、法の内容を補充する法規の性質を持つものもあるので注意を要する。また、単なる通知行為の公表もあるので、次に述べる公告との区別は明りょうでない。
 法令が特に公示すべきことを定めている場合は、その事項が一般住民の利害に重大な関係を有するから、広くこれを一般に周知させ、公正な行政を行わしめようという趣旨であるから、法令に告示すべき旨を定められているにもかかわらず告示しないでした行為は、無効となる場合がある。

 公告とは、一定の事実について広く住民に知らせることをいう。
 公告が用いられるのは、①法令などにより公告すべき旨が規定されている場合、②法令上明文の規定はないが、不特定又は多数人にある事実を知らせる場合、③関係人に申し出の機会を与えている場合など通常事実の公表を行う場合である。しかしながら、「告示」と「公告」との間に実質的差異はほとんどなく、地方公共団体の中には、公示の方法を「告示」に統一している例もみられるくらいである。
 本市において「公告」としている例は、各種試験の実施、各種試験の合格発表、市営住宅の入居者の募集などがあるが、おおむね次の区分によることとしている。
 第一に公示することにより一定の法的効果を伴うものは、事実行為ではないので「告示」により公示し、単なる事実行為としての公示は「公告」の形式により公示する。
 第二に上記の特例として、法令において特に告示の形式を要求しているものは、その内容が単なる事実行為であっても特別の理由がない限り「告示」の形式をもって公示し、また、法令中に「公告」と規定されている場合であっても、それが法的効果を伴う場合には「告示」により公示する。

 うーむ、良い説明だ。実務において「法令中に『公告』と規定されている場合であっても、それが法的効果を伴う場合には『告示』により公示する。」という対応もしっかりしてますね。
 でも、個別の線引きはどうやって判断するのかな。

予防接種法施行令】
(予防接種の公告)
第五条 市町村長又は都道府県知事は、法第三条第一項又は第六条第一項若しくは第二項の規定による予防接種を行う場合には、予防接種の種類、予防接種の対象者の範囲、予防接種を行う期日又は期間及び場所、予防接種を受けるに当たつて注意すべき事項その他必要な事項を公告しなければならない。

 例えば、上記の「公告」は、「市民向けへの実施の周知を行いなさい」というのが法令の趣旨であって「法的効果を伴うもの」には当たらないという判断でよろしいか。鳥取市の方、見てらっしゃったらご教授ください、と書いてみる。