自治体法務の備忘録

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刑法をめぐって

罪刑法定主義なのに、大丈夫なんだろうか。。。
http://blog.livedoor.jp/yauko_o/archives/50505644.html

 改正前刑法の本条における気まずさは、情トラさんがご指摘(http://d.hatena.ne.jp/joho_triangle/20060131/p2)のとおりですが、参議院法制局のコラムにも以下の記載がありました。

平成7年改正前の刑法第109条第1項は、「火ヲ放テ現ニ人ノ住居ニ使用セス又ハ人ノ現在セサル建造物、艦船若クハ鉱坑ヲ焼燬シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ処ス」としていました。しかし、人の住居に使用されていないことと人が現在しないこととは、ともに必要条件であるため、解釈により、「又ハ」は「かつ」と解されてきました。現在では「かつ」に改正されています。
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column056.htm

 コンピュータのプログラムと違って「解釈」で運用できて良いですな(えー
 さて、法制執務の誤りとは違いますが、改正前刑法第200条の「自己又ハ配偶者ノ直系尊属ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ処ス」という規定は、昭和48年4月4日に最高裁違憲とされながらも平成7年の改正まで残っていました。これに対し、「尊属傷害致死」については合憲だとする判決が出されていたにもかかわらず、同改正の際に併せて削除されました。法制審議会における議論が背景にあるわけですが、おもしろい事態ですね。