自治体法務の備忘録

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請負なのか委任なのか

 当サイトを「指定管理者+印紙」で検索される方が思いのほか多いので、今更ですが。
 以前に掲載した(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060122/p2)ように協定書の内容によっては契約行為と解されるところ、当該契約行為の性格により、印紙税の対象とならない可能性があります。具体的に言えば、「請負契約」は課税対象であるのに対して「委任契約」は課税対象にはならない、とのことです。
 当自治体の優秀な指定管理者担当に以下のサイトを紹介いただきました。

「請負」とは、当事者の一方(請負者)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを内容とする契約をいい、民法第632条に規定する「請負」のことをいいます。
(略)
また、請負とは仕事の完成と報酬の支払とが対価関係にあることが必要ですから、仕事の完成の有無にかかわらず報酬が支払われるものは請負契約にはならないものが多く、また、報酬が全く支払われないようなものは請負には該当しません(おおむね委任に該当します。)。
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/shitsugi/inshi/12/09.htm

 具体的に例を挙げると、契約における入場者数に対する委託料の算定が「入場者1人当たりいくら」であれば「請負」の形態であるのに対し、「お客が来ても来なくても年間いくら」であれば「委任」の形態である可能性があります。また、施設の清掃等に関し、自治体が本来行うべきであるところ、年間計画などに基づき指定管理者に「行わせる」場合は清掃等業務委託として「請負」の形態であるわけですが、県の施設などに間借りした施設に関して指定管理者において(というか市において)清掃の用務がなければ、当然、清掃等業務委託たる「請負」にはひっかかりません。
 契約の内容は数種類の用務の複合的なもので有るわけでしょうが、その内容を個別に検討すると、課税の対象である「請負契約」に引っかからない可能性があるのだそうです。
 もちろん、言うまでもないですが、最寄りの税務署にご確認ください。
 笑ったのが、同サイトで挙げられていた以下の事例

 民法では、典型契約として請負契約を規定していますが、実際の取引においては各種変形したいわゆる「混合契約」といわれるものが多く、印紙税法上どの契約としてとらえるべきものであるか判定の困難なものが多く見受けられるところです。例えば、紳士服の仕立ての発注は請負であり、既製服の発注は売買としているところですが、それでは、イージーオーダーはどうなるか、寸法直しを伴う既製服の発注はどうなるかという問題です。
(略)
(注) 印紙税では、紳士服等のイージーオーダーは、請負契約として取り扱っています。また、寸法直しを伴う既製服等の発注については、既製服部分は物品の譲渡契約、報酬のある寸法直し部分は請負契約として取り扱っています。
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/shitsugi/inshi/12/09.htm

 税金取るんかい