自治体法務の備忘録

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ページまたぎ罫線

 ニッチなニッチな法制執務のお話しです。

branch様のところから。

 元々は紙ベースでの提出で行われていたところ、ワープロ等の普及に伴って便宜のため電子データも提出するようになった、ということかと。まあ、申請手続等についてオンライン化を図る政府の立場とすれば、官報についてもオンラインで電子データだけ送るようにすべきでしょうなぁ。

 なるほど。昔は紙だけだったので、電子媒体か紙媒体かのどっちかにすりゃいいのに、と常々思っていたのですが、たしかに、印刷する時間も手間も場合によっては馬鹿にできないです。
http://d.hatena.ne.jp/t9930211/20060404#1144170525

 電子媒体と紙媒体における法令データの取扱いにおいて、頭に浮かんだのが「ページまたぎ罫線」のことでありました。「ページまたぎ罫線」といってもピンと来られないでしょうが、法令において2枚以上の用紙に表がまたがる場合で、用紙の境目に表の項区分が来たときの罫線の取扱いです。お手持ちの六法を確認頂ければお分かりいただけると思いますが、

 +−−−+−−−+
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 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+

という表がある場合において、間の罫線がページをまたぐときは、

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+
 |    |    |

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+

となる。2行目の項とと3行目の項を区分する罫線が次ページに追いやられているわけです。これは、おそらく、法令を読む者に対して「表はこの後も続きますからね」という注意を促すためのものなのでしょう。
 このことについて、参考書などには明文で記載は有りませんが、

ワークブック法制執務 全訂

ワークブック法制執務 全訂

の193ページ、199ページや
自治立法実務のための法制執務詳解

自治立法実務のための法制執務詳解

の59ページに記載された表の例で明らかであると思います。
 ところが、ワードや一太郎で、ベタ打ちしたデータをそのまま印刷すると。

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+

 |    |    |
 +−−−+−−−+

となってしまいます。2行目の項とと3行目の項を区分する罫線が前ページに入ってしまう。あまつさえ、エクセルですと、

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+

と両方のページに罫線が存在してしまいます。これはソフトの機能であって、設定でどうなるものではない。実際のところ、官報における掲載でも、

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+

 |    |    |
 +−−−+−−−+

となっていますが、これは、データからの印刷を行っているからでしょう。
 しかしながら、原議において、このような事態を看過するのは適当ではないと、私は赴任当時に上司にみっちりと仕込まれました(^^;
 では、ワープロ上でどういう取扱いをするかというと、

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+
 |    |    |
 (1行空ける)

 +−−−+−−−+
 |    |    |
 +−−−+−−−+

と、強制的に分けてしまうのですね。
 そこまですることって、どう思われますかid:washitaさん、と無茶を承知で振ってみる。