ページまたぎ罫線
ニッチなニッチな法制執務のお話しです。
branch様のところから。
元々は紙ベースでの提出で行われていたところ、ワープロ等の普及に伴って便宜のため電子データも提出するようになった、ということかと。まあ、申請手続等についてオンライン化を図る政府の立場とすれば、官報についてもオンラインで電子データだけ送るようにすべきでしょうなぁ。
なるほど。昔は紙だけだったので、電子媒体か紙媒体かのどっちかにすりゃいいのに、と常々思っていたのですが、たしかに、印刷する時間も手間も場合によっては馬鹿にできないです。
http://d.hatena.ne.jp/t9930211/20060404#1144170525
電子媒体と紙媒体における法令データの取扱いにおいて、頭に浮かんだのが「ページまたぎ罫線」のことでありました。「ページまたぎ罫線」といってもピンと来られないでしょうが、法令において2枚以上の用紙に表がまたがる場合で、用紙の境目に表の項区分が来たときの罫線の取扱いです。お手持ちの六法を確認頂ければお分かりいただけると思いますが、
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という表がある場合において、間の罫線がページをまたぐときは、
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+−−−+−−−+
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+−−−+−−−+
となる。2行目の項とと3行目の項を区分する罫線が次ページに追いやられているわけです。これは、おそらく、法令を読む者に対して「表はこの後も続きますからね」という注意を促すためのものなのでしょう。
このことについて、参考書などには明文で記載は有りませんが、
- 作者: 前田正道
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ところが、ワードや一太郎で、ベタ打ちしたデータをそのまま印刷すると。
+−−−+−−−+
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+−−−+−−−+
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となってしまいます。2行目の項とと3行目の項を区分する罫線が前ページに入ってしまう。あまつさえ、エクセルですと、
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+−−−+−−−+
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と両方のページに罫線が存在してしまいます。これはソフトの機能であって、設定でどうなるものではない。実際のところ、官報における掲載でも、
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となっていますが、これは、データからの印刷を行っているからでしょう。
しかしながら、原議において、このような事態を看過するのは適当ではないと、私は赴任当時に上司にみっちりと仕込まれました(^^;
では、ワープロ上でどういう取扱いをするかというと、
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+−−−+−−−+
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(1行空ける)
+−−−+−−−+
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と、強制的に分けてしまうのですね。
そこまですることって、どう思われますかid:washitaさん、と無茶を承知で振ってみる。