教育委員会所管の施設に係る指定管理者との協定の方法について
教育委員会に予算執行の道を開くため、通常、首長の権限に係る事務委任か補助執行の定めがなされると思いますが、この関係性により、当然、例えば、今度はうちの図書館に指定管理者制度を導入しようというような時に、
>(協定の)締結者を首長とするか教育委員会とするかで首をひねってしまう
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060122 自治体法務の備忘録より
ことに、必ず、なるのです。
http://d.hatena.ne.jp/nationfree/20060526/p1
教育委員会所管の施設に係る指定管理者との協定の方法について、2シーズン目に入った「自治体法務研究」No.5(2006年夏号)(http://www.gyosei.co.jp/book/g_zassi/houmu/houmu.html)に掲載がありました。
(【引用者注】協定書の性格については)そのすべてが実質的にも附款たる性格を有するものではなく、内容によっては実質的には契約と考えざるを得ない部分もあると考えますが、形式的にはやはり附款とすべきでしょう。
次に、協定書の内容を兼用していくと、使用料の収入、委託料の支払い、財産の管理(教育財産は除く。)等は地方自治法上、長の権限とされていますから、この部分については協定書の締結権者は市長と考えます。
とした上で、
行政処分権者である教育委員会、使用料の収入、委託料の支出、財産の管理の事務を所掌する市長と指定管理者との三者による協定を結ぶべきである。
としています。
「附款」としての性格の決め打ちですね。
確かに、私見ですが、自治法の改正時の想定では、おそらく「協定書」は「附款」たる性格であったはずだと思います。また、私は、指定管理者の指定の手続に関する自治体の条例を随分と読みましたが、教育委員会所管の施設に係る協定書については教育委員会が締結する旨の記述がほとんどでした。
しかしながら、所管の税務署の意向か、印紙が貼付される「協定書」において、「附款」であって「契約」ではない、と言い張るのもなかなか苦しいところです。
なお、「附款」と「契約」の線引きに関する指摘については、以前にご紹介したことがありますので(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060122/p2)、よろしければご参照下さい。