自治体法務の備忘録

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行政手続法とパブリックコメント

 幕張メッセで開催された「自治振興セミナー『地方分権法制執務』」(http://www.rilg.or.jp/003/seminar.pdf)に出席してきました。先週末は横須賀市でしたから、数日をおいて東京湾を西へ東へ。(隣の会場で開催されていた「世界の巨大恐竜博2006(http://www.kyoryu.jp/index.html)」の引力を気力で振り切るw)同セミナーは、(財)地方自治研究機構と千葉県により主催されたものですが、関東の自治体の方々も多く見えられていました。 
 さて、「地方分権法制執務」という胸躍る(こら)サブタイトルですが、その内容は、今年の4月から施行された改正行政手続法において規定された意見公募手続についてでして、その理念及び制度の概要の説明とその適用除外を受ける自治体での取扱いに関し、政治学者、行政法学者及び実務担当者の方々が講演とパネルディスカッションを行うものでした。
 出席者が重なるせいか、「e-Reiki CLUB 自治体法務NAVI」vol.5や

改正行政手続法とパブリック・コメント

改正行政手続法とパブリック・コメント

に記載された内容が多くありましたが、やはりライブ感は楽しいですね。
 以下は、セミナーの内容に上記の書籍の内容と併せて私自身のメモとしての記載です。

 行政手続法に規定される意見公募手続については「参加」の概念が希薄であることが指摘されるところであるが、国に比べて住民により近い立場の地方公共団体における意見公募手続の取り扱いについては、積極的に「参加」の概念を模索するべきであろう。
 改正行政手続法第46条では、地方公共団体において、同法の趣旨にのっとり、必要な措置を講ずる旨の努力義務が規定されており、意見公募手続に係る運用の設計が必須であるが、同法の改正に準じて既存の行政手続条例の改正を行うか、「参加」の概念に基づいてより対象を幅広く設定した意見公募手続条例を制定するかは、地方公共団体の判断にゆだねられている。
 1本の条例として整備すれば、もちろん市民にとってわかりやすいものになろうが、それぞれに目的とするものが異なるところ、2本の条例を制定しても差し支えない。というよりも、各地方公共団体において行政手続条例の制定が求められた当時と異なって分権後の現在においては、意見公募手続条例のほかにも自治基本条例や市民協働条例など、制度の設計についてはさまざまな手法が想定されるものであり、地方公共団体の創意工夫が求められていると言って良い。
 いずれにせよ、適用除外が規定されている上は、どのような形であれ、地方公共団体において意見公募手続が規定されていることが法の趣旨である。逆に言えば、地方公共団体は、自らが尊重されたこの規定の精神を無にしない制度設計が望まれている。