自治体法務の備忘録

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「外部の目」の育成

 「ガバナンス(ぎょうせい)9月号」の「市民の常識VS役所のジョウシキ」で今井照教授(福島大学)が政策法務感覚を身につけるためには「外部の目」の育成が必要と書かれていました。(86ページ)

 政策法務には知識(理論)や技術も大切であるが、その前提として、役所や職員全体の法務感覚が求められる。(中略)なぜ税条例や給与条例を誰かに言われるがまま改正しなければいけないのか、改正しなければどうなるのかという疑問をもつことが政策法務感覚なのである(後略)
 どのようにしたらこのような感覚を身につけることができるのだろうか。それは閉じられた世界にいる限り不可能である。自分の仕事を相対化する視点をもたなければならない。つまり、職員や組織の中に外部の目を育ててやることが必要なのである。

 そして、役所としても、積極的に職員の自主活動や研究会の奨励をしては、と提案されています。
 前職の民間時代には、営業の現場では油断できないライバルである同業他社であっても、私の専門分野では結構連絡を取り合い、勉強会などでの研鑽が実務に役立ったことを思い出します。そのように他社と気の置けない関係にあるというのは、やはり会社の中では例が少なかったようで、その部署から異動された先輩方は、そんな勉強会を懐かしがっていました。
 さて、自治体間は、もちろんライバル同士でありましょうが、それ以前に共通する課題に対処する仲間であります。自治体が目前に対処すべき困難さに目眩がしながらも、他自治体の方々に勉強させて頂く機会が、私には楽しくて仕方がない。
 そんな私を許していただける周囲の状況に感謝です。