自治体法務の備忘録

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数字は作れる(こともある)

 神奈川県における受動喫煙禁止条例の制定に係るアンケートへの日本たばこ産業の組織的な投票に関する先日の記事(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20070215/p3)ついて、scottさんにコメントいただき、また、Reinigenさんの記事にも取り上げて頂きました(http://reinigen.blog54.fc2.com/blog-entry-136.html)。ありがとうございます。
 私自身は、前職における民間での本社勤務時から喫煙はしていません。とはいっても、自身の健康や周りへの迷惑の防止のために、なんて大層な目的によるものではなくて、当時執務していた建築したばかりのインテリジェンスビルでは、喫煙は廊下の給湯室の赤い消化バケツの前でしかできなかったことによります。なんだかそこまでして吸うのもねえ。Reinigenさんご自身は「人生で煙草なるものを口にしたことが、おそらく1度もない。」とのことで、偉いなあ、私も含め、だいたい高校時代には(うほっ、ごほごほ
 さて、Reinigenさんにはご掲載された記事の中では、私が日本たばこ産業に批判的であったかのようにご紹介頂いており、まあ、「こらこらこら」なんて無責任な突っ込みのみで言葉足らずの私が悪く、いやむしろ、scottさんもご指摘されたような企業においてコンプライアンスとして対処すべき事項として拙記載をとらえて頂き誠に恐縮なのですが、実は私自身はそれほど批判的ではありません。(まあ、行政マンとして、神奈川県の中の人のご苦労をお察しし、余計な仕事増やしやがって、という個人的な感慨はありますが)
 Reinigenさんがご指摘されるように、もとより「JT社員にすれば死活問題になりかねず、行動が理解できないわけではない。」わけでありまして、そうですね、もう時効でありましょうし、私自身の民間時代の経験を一つご紹介しましょうか。
 支社の営業管理部門に勤めていた頃、営業に必須な資格試験について、支社配下のセールスマンの合格率があまりに低いと本社から指摘があったんですな。で、まあ、数字を上げろ、と。
 そこで支社長から出た指示が
「営業部門に関係なく、支社の全内勤職員は試験を受けよ」
というもの。もちろん
「内勤の職員は既に取得済みの資格です」なんて理屈が通ろう筈がありません。
 しかも
「もし落ちたら罰金」
の厳命
 ちょっと事例は異なりますが、生き残りのために数字を上げるということにおいては、そういう側面も発生することは、まあ、積極的に肯定はできないけれど否定できないわけです。というかそんなもんすよ。
 むしろ、そのような事態も想定しうるものとしての運用が自治体側にもとめられるべきなんでしょうね。