自治体法務の備忘録

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相談・協議をいただくに当たって

 tihoujitiさんが「仕事をする上で、できればご遠慮申し上げたい職員」についてご掲載されていました。

第1位 ウソをつく人
第2位 指摘しても反応がない人
第3位 条例準則、他都市例等を心の支えにしている人
第4位 内部調整を全くしない人
第5位 関連する法令を全く読んでいない人
第6位 言っていることがコロコロ変わる人
第7位 アポなしでやってきて「できるか?」など判断を求めてくる人
第8位 施行日間際にやってくる人
第9位 ほとんど丸投げの人
第10位 ゾロゾロ来る人
http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20070624#p1

 それぞれの詳細はtihoujitiさんの記事をご覧ください。
 そうなんだよねえ。まあ、困った相談というのはだいたい上記の合わせ技でありまして。
 とはいっても、担当課にとってみれば、そもそもがイレギュラーな事態の対処による「余計な仕事」であることが多く、ご事情誠にお察しするわけですが(逆の立場でこちらが負担をかけることもあるだろうしね)、こちらの相談を受ける側も人間ですからキャパがあるわけでして、ここまでご用意していただけらたらなーという指針について、otsukare_modeさんがご掲載の記事が参考になります。

協議を行ううえでのマナーというか、協議を受ける側の負担軽減の観点から以下のことに留意いただければと存じます。
 大型または複雑な案件の協議を他課とおこなう際には、必ず下記の事項について箇条書きしたペーパーを持参して協議しましょう。

  1. 問題の経緯(当事者関係が把握でき、かつ事実を時系列で把握できるように)
  2. 法的論点を整理
  3. 自分たちが導き出した結論

 もちろん、当該分野について詳細な知見なりがないからこそ協議している案件もあるわけで、1〜3すべてをまとめ上げるのは無理な場合もありますが、最低でも1についてはまとめてくるのは最低限のマナーかなと思います。また、1に関連するものとして

  1. 契約書、行政処分の通知書などの証拠書類の写し
  2. 現場写真・地図などの位置関係等が確認できる書類

などを添付書類として協議資料につけるのも協議の手間を省く上では重要かと思います、2及び3に関連するものとしては

  1. 関連する判例最高裁がなければ、下級審)
  2. 行政実例
  3. 代表的な学説あるいは実務本の写し

などを添付していただけると、御主張に説得力がつきます。
 協議される側というのは、原課の話を鵜呑みにしているわけではなく、事実関係を自分なりに再構築し、論点整理して、必要な学説なり判例なり取扱いなりの調査を行って、検算などしながら判断することになるわけです。こちは非常に知的な作業でありまして、もしこれが手持ちペーパーなしとかで協議を受けるとなると、協議中にメモを取るだけでも負担になりますし、協議中の議論が抽象的なレベルに止まるため、後々になって色々と追加で資料請求したりしなければならなくなり非効率的です。手書きでよいので上記のことについて整理したペーパーを持参していただけると、負担激減というか、最終的に御主張の正当性のウラとり作業はするのですが、議論の概観性が飛躍的に向上し、作業がスムーズに行くと思います。
http://d.hatena.ne.jp/otsukare_mode/20070415/1176605366

 ご相談の中では、そもそもの「論点」が明確になれば、その時点で方向性が見えることもあり、事前にある程度のご準備がいただければ非常に助かります(^^
(07.06.26追記)tihoujitiさんが前述の記事に補足されて相談をスムースに進める要件としてご掲載されていました。

1 ウソはつかない。
2 こちらから投げかけたことについては明確に回答する。
3 条例準則や他都市の先例は、あくまでも参考程度に。
4 少しでも他部署に影響がありそうなら、事前に調整を。
5 関連する法令(せめて法律だけでも)を読む。
6 主張することが変わらないよう、部署内で意思統一を。
7 せめて事前に連絡し、概要だけでも伝えて。
8 官報はマメにチェックし、改正が必要であれば早い段階で検討し、連絡を。
9 せめて、論点やそれに対する考え方だけでも。
10 限り有る打ち合わせスペースなんで…。
 となります。
 文献とか判例とか調べるのはこちらでもできるのだが、相手方しか出来ないこと、相手方しか分からないこともけっこう多いので。
http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20070625#p1