自治体法務の備忘録

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楳図かずお邸問題、東京地裁で審尋…屋根に“鼻水模様”の円柱

 「景観無視の奇っ怪建造物」として建築工事差し止めを求める住民側に対し、楳図さん側は「景観利益を個人が権利として行使することは認められていない。だから自分の希望するものを建てたい」との答弁書を提出したという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070804-00000007-sanspo-ent

 かの国立マンション訴訟の最高裁判決では

ある行為が良好な景観の恵沢を享受する利益に対する違法な侵害に当たるといえるためには,少なくとも,その侵害行為が,刑罰法規や行政法規の規制に違反するものであったり,公序良俗違反や権利の濫用に該当するものであるなど,侵害行為の態様や程度の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くことが求められる。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=32819&hanreiKbn=01

とされており、景観法の運用と併せて、景観の積極的な保護のための法設計が多くの自治体で試みられているのはご存じのとおりです。
 刑罰法規や行政法規の規制をすり抜けてしまうとすれば、記事に記載ある

 住民側代理人が、楳図さん側提出の完成予想図をチェックしたところ「まことちゃんではなく、丸い窓が2つ並び、その真ん中に鼻水のようなもようをつけた円柱が設置されていた」と説明。円柱は「楳図さんがマッチョメマンをイメージしたもの」だという。

という「奇怪な外観」も、上記判決にいう「公序良俗違反や権利の濫用に該当するもの」とまで認めうるかは確かに難しいかもしれません。(その域までに達するものであれば、さすがに設計士がOKしないでしょうし)