自治体法務の備忘録

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定額小為替の料金の変更

 民営化後はゆうちょ銀行が取り扱うこととなる定額小為替の料金について、庁内で聞いてみると意外と知られていませんで、ともかく変更される金額が金額ですから(10倍!)、お客さんにミスリードがないよう、庁内に周知のお知らせを流すことにしました。
 料金自体はお客さんが定額小為替を郵便局で購入する際に支払うものですので、直接は自治体に影響がないのですが、10月1日以降、電話などでの問い合わせに「310円で小為替買って頂ければー」みたいな説明は苦情の種になりかねません。

【お知らせ】郵政民営化に伴う定額小為替の料金の変更について
 10月1日からの郵政民営化により、郵便貯金業務の主体が郵政公社から株式会社ゆうちょ銀行に変更されることに伴い、郵便貯金銀行に関する商品・サービス、料金等が変更されます。
 遠隔地からの各種証明書等の請求に際して手数料の徴収のために利用されている「定額小為替」は10月1日以降も発行されますが、その料金が大幅に変更になりますので、請求に関する照会に対する説明に当たっては、各位ご留意ください。
   1枚 10円 → 100円
 (額面は、50円、100円、200円、300円、400円、500円、1,000円です)
※詳しくは、郵政公社のホームページをご覧ください。
【株式会社ゆうちょ銀行が提供する商品・サービス、料金等について】http://www.yu-cho.japanpost.jp/n0000000/mineika-service.htm
【為替の料金一覧】http://www.yu-cho.japanpost.jp/n0000000/02kawase.htm

 銀行業務の周知を私がすることについて、「それって法規の仕事?」という気がせんでもないですが、まあ、いわゆる「文書課」の職務である「郵便に関すること」に含まれるとして。郵政民営化に伴う複数の条例に係る整備条例を私が書いた経緯もあることだし、ねえ。
 さて、この度の大幅な料金の上昇は、民営化により印紙税がかかることによるものだそうですけれど、それにしても、遠隔地からの請求における手軽な納付手段として定額小為替を利用してきた立場としては、お客さんに対して心苦しいものがあります。
 新しい料金設定で困ってしまう事例も想定できます。
 例えば、450円の支払いに際して、従来は「400円」券と「50円」券の組み合わせで手数料を含めて470円で済んだ(400円+10円+50円+10円)わけですが、10月1日以降は、手数料を含めると650円になってしまう(400円+100円+50円+100円)。
 そうすると、「500円」券1枚の方が600円で済むので安上がりなのです。(500円+100円)
 ところが、お客さんが料金を惜しんで450円で済むところを500円送ってきても、差額の50円をチップとして受け取る事務は自治体にはないのです。
 この他にもゆうちょ銀行の料金設定は、郵政公社の頃と比べて軒並み上昇しており、このこと自体は、上記の印紙税の問題など民営の事業者としての立場からやむを得なかろうとは思われる点はあります。
 しかしながら、新料金の周知のために作成した資料において、例えば「料金区分を2段階に簡素化します」という素っ気ない説明のみで軒並み上昇した金額を並べられては(http://www.yu-cho.japanpost.jp/n0000000/mineika-service.htm)、民営化の先行きにいささかの懸念が生じざるを得ないものも事実です。