自治体法務の備忘録

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多選「禁止」条例を巡って

 tihoujitiさんもご紹介されている、神奈川県の多選「禁止」条例(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071010it02.htm?from=navr)について、知事の方々から意見が出始めました。
【神奈川県の多選禁止条例で山形県知事/「分権が地方政治に浸透」】http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiioct0710231/
 一方で批判的な意見もあります。
【神奈川県の多選禁止条例を山口県知事が批判/「5期以上が多選」】http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiioct0710232/
 なお、多選制限を認めていない現行の地方自治法の下では条例の施行が法整備まで先送りされる、という点については、tihoujitiさんがご指摘のとおり

 うーん、これでは「多選自粛」の方を制定して速やかに効力を発生させる方のが良いのでは?
http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20071010#p1

という気はしなくもない。
 とはいえ、法解釈においてグレーな部分(前述のtihoujitiさんが記事中に引用の総務省選挙課によると「違法」であるそうですが、自治体における立法にすべからく「法の根拠」を求めるのも分権後のこのご時世にナンセンスでしょうね)について、問題なしと判断した執行部と慎重な対処を求めた議会側の綱引きの結果、といったところでしょうか。
 別の記事では、以下のように記載もありました。

【『多選禁止条例案』県議会委員会可決 審議18時間 不透明な決着】
 「分かりにくいと言われればそうだが…。法改正は譲れない。かといって先送りもできなかった」。委員会終了後の十日午前五時前。自民党の田島信二団長は報道陣に対し、複雑な心境をのぞかせた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20071011/CK2007101102055527.html