自治体法務の備忘録

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誤読の自由

   雪
 
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

 三好達治の有名な詩です。教科書で読まれた方も多いのではないでしょうか。
 短いながらも、広がる世界観をそっと小さくまとめたような簡潔な描写が、読む者に夜の帳の静けさと穏やかさを思い起こさせる名作です。
 その描写から読者が具体的にイメージは各人それぞれでしょうが、私は、そうですね、どこか山あいの集落の家々にそっと雪が降り積もり、耳をすませば子どもの寝息すら聞こえてきそうな、静かで優しい夜の景色でしょうか。
 「読者には想像を広げる自由がある」と学生時代の現代国語の先生は、上記の詩のイメージにおいて、自分の聞いた事例を教えてくれました。
 いわく
太郎と次郎は犬なんだと
二匹は路上で死んで、その上に屋根のように雪が降り積もっているんだと
「えっ、と思ったけど、それがその人の感性だとしたら、俺は否定できなかったよ」とは先生の言