自治体法務の備忘録

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浜松市が債権管理条例を公布 処理の徹底明記

 先般ご紹介した(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20071114/p3浜松市の条例が可決の上、公布されたそうです。

 浜松市は14日、市税の滞納や国民健康保険料、学校給食費などの債権処理の指針をまとめた市債権管理条例を公布した。履行期限を過ぎた債権に対して差し押さえなどの強制徴収、裁判所への訴訟手続きなど処理スケジュールの徹底を図る内容。さまざまな種類の債権管理の手続きを包括的にまとめた条例は全国初、という。
(略)
 条例では、債権を「市税」、市が差し押さえなどができる国保料などの「公課」(公の目的の負担金の一部)、強制執行権がない市営住宅家賃、学校給食費などの「その他」に分類。種類ごとに台帳を作成して管理し、市に執行権がない「その他」についても法令に従って訴訟手続きなどを適切に進めることをあらためて明記した。特別な事情がある弱者に対して履行期限の延長、放棄の規定も盛り込んでいる。
http://www.shizushin.com/local_politics/20071215000000000024.htm

 以下は、市長による記者会見から

 次に第173号議案「浜松市債権管理条例の制定」についてでございます。これは、市のすべての債権を一元的に管理するとともに、債権処理のスケジュール化の徹底と債権処理対策の強化を図るため、市の債権処理の包括的な指針として債権の管理に関する事務処理の基準など、必要な事項を定めた条例を制定するものでございます。制定内容でございますが、市のすべての債権を適正かつ効率的に管理するための台帳の作成や不納欠損見込額の把握、また、督促を受けた者が債務を履行しない場合の滞納処分や強制執行のほか、滞納処分の執行停止など諸手続きについて規定するものでございます。
 この条例の制定については、6月に公表いたしました「市税滞納削減アクション・プラン」にも盛り込んでいるものでございます。現在、足立区などで制定されていると聞いておりますが、内容的には国内において、本条例ほど包括的な債権管理にかかる条例を提案している例はないかと思います。また、東京都においても、平成20年3月での制定の動きがあると聞いております。
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/square/room/interview/191113/index.htm

 実務屋として興味が引かれるのは、債権放棄の規定ですね。
 逆に言えば、市長も挙げられている足立区条例(「足立区の債権の管理等に関する条例」http://www.city.adachi.tokyo.jp/reiki/reiki_honbun/ag12207361.html)においても同様ですが、債権放棄について包括的な議会の了承を得るに当たって、債権に対する自治体の取り組むべき姿勢を明文化したととらえることもできます。