自治体法務の備忘録

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郵便認証司

 文書課の職務の一つとして郵便業務がありまして、「配達証明」や「内容証明」にはお世話になるところですが、民営化に当たって、「郵便認証司」という国家資格が法定されています。
 以下は、wikipediaの説明から

2007年10月1日に実施された郵政民営化により、従来は「公務員」であった郵便職員がすべて会社員になった。しかし、内容証明・特別送達郵便物の認証はそれぞれ法律によって公務員のみに限られていたことから、従来からの信用性を確保するため、「郵便認証司」という国家資格を新たに設けることとなった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E4%BE%BF%E8%AA%8D%E8%A8%BC%E5%8F%B8

 上記の記事を読んで、そういえば、民営化直後の昨年10月に、制度改正直後の混乱からか、取扱いの誤りが報道されたっけ、と思い出しました。
 郵便法では、ひとつの章をあてて、その職務や義務等について規定しています。

【郵便法】
 (職務)
第五十八条 郵便認証司は、次に掲げる事務(以下この章において「認証事務」という。)を行うことを職務とする。
 一 内容証明の取扱いに係る認証(総務省令で定めるところにより、当該取扱いをする郵便物の内容である文書の内容を証明するために必要な手続が適正に行われたことを確認し、当該郵便物の内容である文書に当該郵便物が差し出された年月日を記載することをいう。)をすること。
 二 特別送達の取扱いに係る認証(総務省令で定めるところにより、当該取扱いをする郵便物が民事訴訟法第百三条から第百六条までに掲げる方法により適正に送達されたこと及びその送達に関する事項が同法第百九条の書面に適正に記載されていることを確認し、その旨を当該書面に記載し、これに署名し、又は記名押印することをいう。)をすること。

同僚「民営化に当たって必要な対処だったのでしょうけど、国の機関の民営化に当たり、従来行っていた公的な取扱いを国家資格の創設をもって可能にしちゃったわけですよねえ」
私「個々の事例だと、指定検査機関による建築確認なんてのがあるけどね。民営化の際に郵便局の人と、次は市役所なんじゃないですかね、なんて雑談をしたことを思い出して、ちょっと寒気を覚えるな。
 なお、現役の方の郵便局の方の文章によると、当初の案では、郵便認証司は各部署の管理者名をもって対処し、社員はその管理者の代行者としようと想定したところ、結局、実際に当該郵便物に接する窓口会社の社員から郵便事業会社の特殊郵便担当職員や配達担当職員までが保有するという結構面倒な取扱いになってしまったそうです。
 結果的に「みなし公務員」が多くいるという状況は、当初の設計に際しては想定されなかったことなのでしょうか。