自治体法務の備忘録

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ビジネスマンのための法令体質改善ブック

ビジネスマンのための法令体質改善ブック

ビジネスマンのための法令体質改善ブック

 法文に関する説明というのは、どうにも無味乾燥な説明になりがちです。
 少しでも参加者の印象に残していただこうと、以前に講師を勤めた法制執務研修では、「又は」「若しくは」の大括り・小括りの説明について、恋愛の修羅場で「私を選ぶの?!あの女を選ぶの?!それともここで死ぬ?!」というシチュエーションを例示として挙げ、

「『私』若しくは『あの女』」又は「ここで死ぬ」

と下手な説明をしたことがありました。
 さて、そこで本書のご紹介となります。
 著者のご説明の洒脱さは

元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[第2版]

元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[第2版]

で存じ上げていましたが、本書でも頁を繰りながら、「うまいなあ」と、何度も思わず口に出してしまいました。

 「友達以上恋人未満かな」、そんな風に女性に言われたらもう深追いは禁物です。
 今さら、説明もいらないかもしれませんが「以上」や「以下」は基準となる点を含みますが「超える」や「未満」は基準となる点は含まないのです。
(略)
 ダメを押すようですが「友達としていいけれど、男としてはもうひとつね……」と言い換えることができるでしょうか。合掌。
(96頁)

 私自身に思い当たる点があるか否かは、ここでは留保します(えー
 また、washitaさんは、全部改正でツチノコになることについて同書を紹介されています。意味不明でしょうがリンク先をご確認ください。→http://d.hatena.ne.jp/washita/20081202/p4
 本書で著者は、「詰め込み型」から「検索型」への法令体質の改善を提案しますが、その前提は何よりも「苦手意識の克服」でありましょう。
 書名のとおり「ビジネスマン」を対象としたものとして、法文の例示も会社法によるものが多いですが、上記のような肩のこらないわかりやすい記述は、自治体の法令初心者にも心強いのではないでしょうか。
 そうそう、法制執務研修の内容に頭を痛める講師にとっても、キャッチーな話題のきっかけになるかもしれませんね(^^;