自治体法務の備忘録

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御名御璽

 自治体における、例規公布に際しての市長の署名に関する拙記事(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20090217#p3)で、法律の公布が官報に掲載される際の御名御璽について記述しましたが、御名御璽って何ですか、と聞かれてしまいました。wikipediaに端的に解説が有ります。しかも画像付き。

官報において公布される法令の天皇の署名・捺印部については「御名 御璽」と表記される。その際、「御名 御璽」は当該文書の題名と同程度の高さに置かれる。その後につづく首相と閣僚の副署は通常のように各行の最下部に署名どおりの実名をもって表記される。官報以外の公文書および民間で出版される法令集においても公布された形式の通り、同様に表記される。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A1%E5%90%8D%E5%BE%A1%E7%92%BD

 これが自治体でしたら、文書課が所管する「公印」となりましょうが、他に掲載の記事によると、その押捺については随分と慎重であるようです。

現在の御璽は純金製で、大きさは方3寸(約9cm)、重量は4.5kgある。1874年(明治7年)、京都に住む印章の名匠、安部井櫟堂(あべい れきどう:1805 - 1883)が命じられ、国璽と共に1年がかりで製作した。保管は専用の革袋に入れる。捺す際は、国立印刷局特製の朱肉を用いて、専用の定規を当て、曲がったりずれたりしないようにしておいて二人がかりで捺す。
http://r25.jp/b/wp/a/wp/n/%8C%E4%8E%A3

 4.5kgとは重いな。
 おもしろいのが、偽造に関する刑罰でして、前述のwikipediaには以下のように記述されます。

御名、御璽を偽造した者は刑法により二年以上の懲役とされ、同じく刑法によって五年以下三月以上の懲役とされる公務員の印章・署名の偽造や三年以下の懲役とされる私印等の偽造より重罪となる。

 当然のことながら、重いのは金印としての物理的な重みだけではないようです。

【刑法】
(御璽偽造及び不正使用等)
第百六十四条 行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造した者は、二年以上の有期懲役に処する
2 御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した 御璽、国璽若しくは御名を使用した者も、前項と同様とする。
(公印偽造及び不正使用等)
第百六十五条 行使の目的で、公務所又は公務員の印章又は署名を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する
2 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。