自治体法務の備忘録

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終戦記念日に、逝く

【訃報 松林宗恵さん89歳=映画監督】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060212/p1
 日本の戦争映画の最高傑作は何か、というといろいろ議論があるでしょうが、太平洋戦争を題材としたものでは、同監督の

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を個人的には上げたい。当時の東宝が最大限の技術と人材の投入した豪華さの一方で、物語は制作者と観客がともに経験したその悲劇を浮かびあがらせる。
 拙blogでも過去にDVD鑑賞記を掲載しています。

 物語は、意気軒昂な飛行機乗りの主人公が、ミッドウェイの敗退で虚無的になっていく経過を描く。ラストは主人公が国民へミッドウェイ敗退の真相漏洩防止のため帰る見込みのない南方戦線へ赴任するところで幕を閉じるが、戦後15年の制作当時の戦争の記憶が濃い時代においては、主人公のその後を作劇する必要もなく、その後の運命を悟らせたのだろうなと感無量。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060212/p1

 物語の展開に秘めた「無常観」は監督の僧籍のたまものか。
 そうそう、劇場映画の製作本数が数を減らし、TV映画で活躍するようになってから演出した「帰ってきたウルトラマン」の1本に、地球を侵略しに来た宇宙人が厭戦から味方と戦いを始める物語があります。同監督らしいと言えば誉め過ぎか。