「芸術の秋」なんて言いますが
めっきり秋めいてきましたね。確かに、この季節、美術館に行きたくなります。
絵を見るのは好きなのですが、残念ながら書く方の技量がありません。したがって、絵画の技術的な説明よりは、時代的な背景や「なんでそんな絵ができたのか」という製作の舞台裏に興味があります。
そんな私がおもしろかった本で、最近刊行されたものをいくつかご紹介しましょう。
- 作者: 中野京子
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2007/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容は、といえば、「怖い」と言っても流行りの都市伝説の類ではなく、西欧名画に秘められた「恐怖」への言及。
ドガの踊り子が実質的な娼婦であった時代背景の説明や、ゴヤが描かざるを得なかった我が子を喰らう神、ベラスケスが王女の肖像に併せて描く侏儒、ピカソが芸術的動機とした女性遍歴などなど。
- 作者: 西岡文彦
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2008/12/18
- メディア: 単行本
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なるほど彼らにとって、印象派の台頭が許せなかったはず、と理解できます。マネの「草原の昼食」が嫌悪感をもって否定された一方で、遙かにエロチックな「ビーナスの誕生」(本書の表紙)が評価された事実も興味深い。
- 作者: 有地京子
- 出版社/メーカー: 角川マガジンズ
- 発売日: 2008/06/30
- メディア: 単行本
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名画の言い分 数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」
- 作者: 木村泰司
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/07/26
- メディア: 単行本
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最近、「巨匠たちの迷宮-名画の言い分」という続刊もでました。
- 作者: 山田五郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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「世界の名画」隠されたミステリー (ビジュアル+好奇心!BOOKS)
- 作者: 世界博学倶楽部
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/06/12
- メディア: ムック
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- 作者: NHK『迷宮美術館』制作チーム
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/03/11
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テレビ版は未見ですが、本書を見る限り、CGを利用した絵画の加工や、実証的な再現などが他ではあまりお目にかかれません。
なんか、いい展覧会、やってないかなぁ。