法令のミス
- 作者: 吉田利宏,いしかわまりこ
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2009/10/20
- メディア: 単行本
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平成16年における国民年金法の正誤表の対応などいささか懐かしい内容の記述もありますが、なにより興味ぶかいのは、衆議院法制局にお勤め時代の著者によるご経験です。
ある議員立法を担当しているとき、こんなことがありました。改正対象の法律の所管課から1本の電話があり「今度改正が予定されている○○法ですが実は積み残しのミスがあります。今回の改正にこのミス直しの規定を加えておいてくれませんか?」というのです。(略)
「××先生(議員)の指示に基づいて法案を作っています。先生にはお話ししましたか?」と尋ねると、「分かりました」と電話口の声は元気なく答えました。それっきり、その件は話題に上がることもなく、議員より特段の指示もなく沙汰やみとなりました。(略)
(149頁)
※強調はkei-zuによる。
駄目だよねぇ(笑いをこらえきれない
なお、同書にも紹介されていますが、参議院法制局によるコラムにも、法令のミスについて掲載があります。
最後に、平成11年改正前の地方自治法(昭和22年法律第67号)別表第3の4をご覧ください。立法の過誤の逸品です。
公安委員会が管理し、及び執行しなければならない事務
犯罪被害者等給付金支給法(昭和五十五年法律第三十六号)の定めるところにより、犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利を裁定する等の事務を行うこと。なお、「なお、」以下の静寂は、立案担当者が力尽きてしまったのでしょうか。
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column056.htm
誰がうまいこと言えと(ry
お手元に古い六法がある方は、是非ご確認ください。