自治体法務の備忘録

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シンポジウム「地方分権と政策法務」

 以前にもご紹介させていただきました(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20091211/p1)、関東学院創立125周年記念として開催された標記の催しに参加させていただきました。
 プログラムは、3部に分かれ、まずは増田寛也氏(元総務大臣)による基調講演、そして小田原市長・厚木市長を迎えた鼎談を出石先生が司会され、最後は「KF4」の皆さんが壇上でパネルトーク
 「KF4」とは、かながわ政策法務研究会のイケメン研究者4人組とのことだそうで、メンバーは北村喜宣先生(上智大学)、磯崎初仁先生(中央大学)、山口道昭先生(立正大学)それに出石稔先生(関東学院大学)。人気コミック「花より男子」のイケメン4人組「F4」に由来し、冒頭の「K」は「かながわ」の由。
 この第3部はなかなかスリリングでおもしろくあったのですけれど、進行が押していたことにより時間が短縮され、見ている立場としてはなかなか消化不良の感が残りました。それでも、
「スポーツの大会では、県大会より全国大会の方が権威があろうが、補完性の観点から考えると、果たして国の方が自治体より権威があると言えるのか?」
「神奈川県は、政令市相模原の誕生により、人口の6割以上が政令市に居住することになる。その場合、県に期待される役割は何か?」
「そもそも、政令市や中核市特例市など、自治体のあり方を国が決めるのは、本来妥当であるのか?」
「翻って自治体では、横浜のような巨大な基礎自治体の中で、地域・地区への分権は模索されているのか?」
「このたび準備されている、新たな分権一括法で論議された『条例による上書き』は単なる『委任規定』にとどまるではないか?」
「『上書き』の対象を列記することにより、それ以外の自主的な解釈に制限が発生することは考えられないか?」
など、少なくない興味深い指摘に思わず手に汗握ったり。
 さて、このシンポジウム、後援の主体は、かながわ政策法務研究会と湘南都市法制事務研究会でいらっしゃいます。前者は自治体職員や研究者のほか議員や法令出版社の方々で構成される研究会。後者は地域における自治体法制職員による連絡会だそうです。
 両者の中心メンバーであり、いくつもの著作がある大石貴司氏(横須賀市)のご挨拶が凛々しくもあり、自治体職員の自己研鑽とネットワークの必要性を改めて感じました。