自治体法務の備忘録

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自治体の実務に役立つ法律関係の資格試験

 職員の法制執務政策法務の向上のため、庁内のイントラネットにホームページを作成しておりまして、不定期に「Q&A」を掲載しています。
 「政策法務検定」の実施を控えてか、職員の方から標記の内容についての質問に接することが何回かありましたので、上記の「Q&A」に短文をまとめました。

 自治体の実務に役立つ法律関係の資格試験について
 自治体における法運用の知識を深め、実務に活用するため、適当な資格試験があるか。

 まず、定評あるものとして、2級と3級には「行政コース」が設けられている「法学検定」をご紹介させていただきます。
 行政法を中心とした出題内容は、公務員試験等などで学習された方も多くいらっしゃるでしょうが、知識の確認には良い内容かと思います。
 なお、3級の試験はテキストに記載された問題の中からしか出題されないという特徴があり、勉強のとっかかりとして非常にハードルが低いので、勉強する機会を探していらっしゃる方は、受検を検討されてみてはいかがでしょうか。
 【「法学検定試験」とは】http://www.jlf.or.jp/hogaku/index.shtml日弁連法務研究会のサイト)
 
 自治体を巡る最近の動きの中で注目される「政策法務」を検定するものとして、自治体法務検定」も開始されました。
 「政策法務」とは、法を利用して行政が直面する課題の解決を図ろうという手段であり、また実践のことをいいます。
 【「自治検」自治体法務検定】http://www.jichi-ken.com/jichi-ken/outline.html(自体法務検定委員会のサイト)
 自治体法務検定は、2010年6月に「政策法務」部門の第1回の実施の後、「基本法務」部門も近いうちに開催されるそうです。
 
 上記のような「検定」ではなく、「資格」としては、宅地建物取引主任者資格試験」行政書士試験」が挙げられます。
 宅建試験の概要】http://www.retio.or.jp/exam/exam01.html不動産適正取引推進機構のサイト)
 「宅地建物取引主任者資格試験」は不動産業者に必要とされる資格ですが、民法のほか税法や開発・建築関係の法律などが出題範囲なので、市役所の業務に関連する法律を幅広く勉強する機会になります。
 行政書士試験】http://gyosei-shiken.or.jp/行政書士試験研究センターのサイト)
 「行政書士試験」も行政事務に関する内容が出題範囲です。私たちの日常業務には一番親和性が高いものでしょう。
 
 これらの試験の受験に当たっては、通常、講座の受講などが考えられますが、市役所の良いところは、どの分野も第一線のエキスパートがそれぞれの部署にいらっしゃることです。
 日常の業務を超えて、自己研鑽のためにお話しを伺うのも楽しい機会ではないでしょうか。

 このような質問に接することができるのは、分権一括法施行後10年を経過し、また、新たな法改正も見込まれる中で、職員に自己研鑽の意識が出てきている証左かと思います。
 もちろん、それは時代の必然であるのですけれど、実は、最後の一文にこそ、現場にいる皆さんが行政の仕事を前向きに遂行していくために、私が一番申し上げたいことであったりします。