自治体法務の備忘録

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いのちを守る自殺対策緊急プラン

 現代日本の喫緊の課題である自殺対策に取り組むNPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」の行政や地域の垣根を超えた活動については、以前にもご紹介したことがあります。

 どこかに「救い」がある、そのことを知るだけでも、人は救われることがあるのではないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20090603/p3

 清水代表は、現在では内閣府本府参与としてもご活躍ですが、このたび標記のプランが政府で決定され、公表されています。

現下の自殺をめぐる厳しい情勢を踏まえ、様々な悩みや問題を抱えた人々に届く「当事者本位」の施策の展開ができるよう、政府全体の意識を改革し、一丸となって自殺対策の緊急的な強化を図るため、「いのちを守る自殺対策緊急プラン」を以下のとおり定めます。
http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/suicide_prevention_plan100205.pdf

 上記のプランには、行政が携わる多方面な分野における自殺対策への取組が記述されています。実効性の検証や、より深い連携など課題はまだありますが、前政権下における自殺対策基本法の制定からまた一歩踏み出したものと評価されるべきものだと思います。
 この機会に、同NPO法人のサイトに掲載されているリンク集を改めて紹介させていただきましょう。サイトの訪問者が自分の抱える問題を選択していくと、問題解決の糸口となりうる行政の窓口やNPO法人が案内されます。
【生きる支援の総合検索サイト】http://lifelink-db.org/
 これも以前にご紹介しましたが、ナチスにより悪名高いアウシュビッツに収容され、家族が死んでいく中でただ一人生き残った哲学者のヴィクトール・E・フランクルは、その極限状態の経験を綴った著書の中で次のように書いています。

ここで必要なのは、生きる意味についての問いを百八十度方向転換することだ。わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えねばならない

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 上記について、私は端的に「人が人生に意味を問うことはできない。人生が人にその意味を問うているのだ」と解釈しています。もっとも、私自身がその要請にどれだけ応えられているかは、はなはだ疑問ではありますが。
 私の駄文をご覧になるような方で、生きることに悩まれているような方はいらっしゃらないかとは思いますが、検索か何かの加減でご覧になる機会があったとすれば、どうか上記の文章をお気に止めておいてください。