自治体法務の備忘録

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10日で身につく文書・政策法務の基本

10日で身につく文書・政策法務の基本

10日で身につく文書・政策法務の基本

 良書。ただ、「政策法務」と題名に謳われているものの、その内容は技術的な「法制執務」論に多く割かれています。
 構成は、説明を間に挟んでQ&Aが設定され、内容の理解を助けます。
 公文書の取扱いについては、出版社の性格からか東京都庁の事務について記述されますので、ローカルルールには注意が必要ですが、逆に言えば、電子文書の取扱いなどは都庁の事務が分かって興味深く読めます。
 残念なのは、編集や記述に細かい誤りが少なくないこと。

Q1
 紙文書と比べた電子文書固有の特性として、必ずしも正しいとはいえないものはどれですか?
1〜5 (略)
(58頁)

 その後の回答では、それぞれに正誤の指摘の上で内容の説明があるのですが、その説明によると「誤り」と指摘されているものも、全部「正」であるはず(選択肢の作成の間違いかと思われます)。

(ウ)奥書証明の形式(横書きの場合)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    (相手の文)
・・・第・・号
□右のとおり相違ないことを証明します。
  ・・年・・月・・日
                  ・・・・ ・・・・・
                  (職名) (氏 名)

                      (□は空白部分)
(92頁)

 「右のとおり」は「上記のとおり」の誤り。実際に、その後に掲載の事例では正しく記載されています。
 その他、例規の掲載における文字配列でも気になるところがいくつかあります。
 記述の例も詳しく、良書であるだけに残念。入門書であればこそ注意深く編集作業を進めていただきたかったところです。