自治体法務の備忘録

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事業仕分け

 標記の件について、先般、某所でいろいろご意見を伺う機会があって興味深かったです。私自身としては、考えがまだまとまっていませんので、意見は差し控えさせていただきます。
市民(団体職員)「限られた時間で事業を精査するのは限界があるのではないか」
仕分け経験者(研究者)「日を置いて13〜4日かける事例もある。また、対象も特定のものではなく、一定期間を経過した事業をすべてリストアップするなどの工夫も一部ではなされている」
自治体職員A「事業仕分けって、『切りたい事業』をピックアップして『お墨付き』を与える側面もあるのでは」
仕分け経験者(コンサルタント)「事業仕分けの限界は理解している。そのように『利用』いただいても結構だ」
仕分け経験者(研究者)「仕分人が廃止を主張した事業について、首長が政治的に継続と判断する事例もある。『利用』にも様々な側面が有る」
自治体職員B「政治的『利用』で『ショー』化すれば、自治体の資質を否定することになる。評価は慎重たるべき」
仕分け経験者(研究者)「職員の研修という点では効果はあろう」
自治体職員A「仕分け対象となった国の事業概要書を見た。事業の必要性の説明が体をなしていない。あるからやるんだ、といわんばかり。あんな内容じゃ、うちの財政局は予算を付けてくれない」
市民(IT企業経営)「国の事業仕分けを傍聴した。役人って『あるお金でなんとかする』という発想がないのか、というのが素朴な感想」
仕分け経験者(研究者)「必要性の説明がきちんとできれば良い問題」
市民(県議)「某市の事業仕分けを傍聴した。やはり傍聴の国会議員、最後に『非常に勉強になった』と挨拶していたが、作業中はずっと寝ていた」
研究者「国での試みは、責任の所在が曖昧であった点が問題。予算策定に係る当初の構想どおり国家戦略室が中心となっていれば。自治体では違った展開が期待できるのではないか」
仕分け経験者(研究者)「事業の棚卸しという点では意味がある。国でも、歴史的な役割が終わった特定の業界や団体に対する支出がなおも温存されている」
研究者「役割終了の判断は難しい。だからこそ、公開の場で討論される意味がある」
市民(団体職員)「議会における運用は想定できないか」
自治体職員A「議会における予算修正権の限界が議論になる。事業仕分け自体の運営ではなく、その方法のチェックを役割とすることが現実的か」
 うーん、難しいですね。なお、個別の発言の内容につきましては、私は責任を持つものでは有りません。為念。