自治体法務の備忘録

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「題名」と「件名」

 一昨日の記事(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20100906/p1)に記述しました「法律名(題名)」と「件名」について、自治例規では余り意識することも有りませんので、この機会にご紹介しましょう。

新訂 ワークブック法制執務

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  1. 現在では、法令には、原則として題名が付けられることとなっており、少なくとも、法律及び政令には、すべて題名が付されている。
  2. しかしながら、昭和22年ごろまでは、法律においても、題名が付けられるものと付けられないものとがあり、重要な法令は別にして、既存の法令の一部を改正する法令、一時的な問題を処理するために制定される法令、内容の比較的重要でない法令、簡潔な題名を付けることが困難な法令等については、むしろ題名が付けられないのが通例であったから、現存する法令にも、題名の付いていないものがある。

(139頁)

 そして、同書には、「決闘罪ニ関スル件(明治22年法律第34号)」「建物保護ニ関スル法律(明治42年法律第40号)」「経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律(昭和19年法律第4号)」は事例として挙げられています(152頁)。
 この「件名」は、一昨日の記事で独占禁止法を例として引用したように、公布文の字句をもって当該法令を指定するものとされているところです。
 法令において「件名」を引用する手法(昔「明治42年法律第40号(建物保護ニ関スル法律)」→最近「建物保護ニ関スル法律(明治42年法律第40号)」)とか、本文の改正に際して併せて「題名」を付す方法など、おもしろい話しもいろいろあるのですが、あまりにニッチすぎるのでここでは差し控えましょう。
 ご興味を持たれた方にご紹介すると、入手しやすい書籍としては、

法令作成の常識 (セミナー叢書)

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の55〜57頁に読みやすく説明があります。