自治体法務の備忘録

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「ビッグイシュー」誌7周年

 ホームレスの方々に、定期刊行誌の路上販売という「就業」の機会を与えるという「ビッグイシュー」誌については、拙blogでも過去にご紹介したことがありました(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20070901/p1)。「チャリティ」ではなく「ビジネス」を、というホームレス支援のための販売制度について、同社のサイトには以下のように掲載されています。

定価300円の雑誌(※)をホームレスである販売者が路上で売り、160円が彼らの収入になります。最初の10冊は無料で提供し、その売り上げ(3,000円)を元手に、以降は1冊140円で仕入れていただく仕組みです。
http://www.bigissue.jp/sell/system.html

 この週末、その最新号を入手しましたら、創刊から7周年を伝える記念第150号でした。
 イギリスのオリジナル誌の目的を日本でも根付かせようとした同社の試みは、創業者のご著書によると、立ち上げに際して、「99パーセントじゃなく、100パーセント失敗する。俺が保証する」「否定材料なら、トラック一杯分くらいある」と、あらゆる関係者に反対されたそうです。

ビッグイシューの挑戦

ビッグイシューの挑戦

 同書で著者は、最近は若年層のホームレスが増えてきていること、彼らには年輩のホームレスのような「たくましさ」が少ないことを懸念しています。
 リーマンブラザーズ破綻後の不透明な経済情勢の中、社会の混迷はますます深まっていくようではありますが、同書は時代の困難に一筋の希望も示します。

 2007年にはNPO法人ビッグイシュー基金」を設立し、一般の方や企業からの寄付金を受け付ける体制が整った。(中略)ところがそんな矢先、リーマン・ショックが起こってしまった。普通の家庭の家計がどんどん厳しくなっていく経済状態の中、2008年度以上の寄付金は到底期待できないと判断した。僕らは2期目の予算は、前年度並みの1800万円程度にしておこうと計算したのだった。
 しかし、今度もふたを開けてみて驚いた。
 なんと2期目は、前年の倍の3600万円が集まったのである。
(241頁)

 同誌の販売場所は繁華街に限られ、私も都心に足をのばした折りに購入している状況ではあります。ご興味を持たれた方で、販売場所が近い方は、機会を探してみてはいかがでしょうか。
【販売場所検索】http://www.bigissue.jp/sell/index.html