ヤバい経済学
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
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「これから〜」でも市場主義は大きなテーマですが、本書の試みは「経済学」の手法で世の謎を解きほぐそうとするもの。
「経済学」といっても、マクロやミクロ、インフレ、デフレを論じるものではない。私や半鐘さん(俺を含めるな、というご意見はありましょうが)のような世の中を斜め下から覗いてニヤニヤする輩は間違いなく楽しめる本です。取り上げられたテーマの一つをご紹介しましょう。
八百長で負けるのが第一級の罪であり、相撲が神国第一級のスポーツであるならば、八百長で負けるなんてありえない。そうでしょう?
再び、データがすべてを語ってくれる。
(45頁)
うわあ、ヤバい。ヤバいから、それ。
本書の原題は「Freakonomics」。「Freak」と「Economics」を合わせた造語です。邦題がそのニュアンスを伝えているかは微妙な感がありますが、ヤバいことに変わりはない。
相撲に話題を戻しましょう。相撲で一番「八百長」が発生しそうな局面はどんな場面でしょうか?
1場所は15回の取組で構成されますが、相撲界でのヒエラルキーを保持するため、力士が一番負けられない勝負は7勝7敗で迎えた最終日です。一方、すでに勝ち越しを決めた力士にとって、最終日にそれほどの緊張感はない。
そこで、7勝7敗の力士が8勝6敗の力士と取り組むと…なんとその勝率は8割。一方で、このようやく勝ち越せた力士が、次の場所で同じ相手と対戦すると今度は負ける確率が高くて…
いや、まあ、なんとも奇妙な偶然だね。
しかも、八百長疑惑が報道を賑わせると、しばらくは8割だった勝率が5割の数値に収まる(そのうちまた8割に上昇する)というのだから、世の中には不思議があふれていますね(棒読み
本書に基づきオムニバス形式のドキュメンタリー映画がアメリカで制作され、現在、絶賛公開中とのこと。【Freakonomics (Official Movie Site) 】http://www.magpictures.com/freakonomics/ ※注意!音が出ます。
楽しみな内容ですが、果たして日本公開はあるのかなぁ。