自治体法務の備忘録

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自治体と公文書管理

石垣市史編集課が1995年から「市史の資料」として収集している各課の重要事業に関する行政文書は、文書箱(縦33センチ、横41センチ、高さ31.5センチ)にして1200箱にのぼるが、市パパイヤ研究所(旧OHK)の2階に積み上げられたまま。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/17508/

 厳しい財政状況にあるだけでなく人的的資源にも乏しい自治体にとっては、なかなか困難な状況があります。一方、他の報道では、大分県の興味深い事例が報道されていました。

 大分県内の各自治体が保有する公文書や古文書を適切に保存・管理するため、県公文書館と市町村が共同で歴史資料保存活用連絡協議会(会長・金子真徳県公文書館長)を設立した。
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2011_129479473999.html

 そういえば、以前に、沖縄の首里城の復元に当たり、難儀した色の種類が当時の行政文書の記述から解明された旨をご紹介したことがありましたっけ。

首里城復元と公文書】
 その業界であればよく聞く事例なのかもしれませんが、役人の記述する行政記録が文化事業の手助けになるとは随分おもしろいな、と放映時に思ったものでした。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20080708/p1

 なお、気になるのが、上記の両報道とも年金記録問題を背景として記述する点です。特に最初の報道では、自治体における適正な管理を同法が要請する背景として読めるのは懸念するところ。
 事務移管後において、年金の被保険者名簿が適正に管理されなかった一義的な責任は社会保険庁にあり、自治体にその責任が転嫁されるような記述はなんだかなと考えます。この点、拙blogではbranchさんの記事を引用させていただいたことがあります。

【個人情報の保護と公文書の保存】
 社会保険庁が本来担うべき責務が基礎自治体に転嫁されないことを祈るばかり。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20070706/p2