自治体法務の備忘録

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大阪市:HPでも反論!? 市民の声に見解、府との連携事業説明 /大阪

 大阪府大阪市は仲が悪いの? 市民から寄せられたそんな声の回答が1日、市のホームページ(HP)上に掲載された。市はこの日発行の市政だよりで、地域政党大阪維新の会」が公約に掲げる二重行政解消について、「見かけだけで二重行政とするのは誤り」と反論したばかり。「大阪都構想」を想起させる特別区制度について説明するなど、名指しでの批判は避けたものの、維新を意識したつくりになっている。
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20110202ddlk27010303000c.html

 大阪市のサイトは以下のとおりです。
地域主権改革などに関するよくあるご質問】http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000110632.html

【Q3 大阪市がめざす地域主権の姿は何ですか。】

自治の主役である「住民」の信託に基づき
 ○地域社会、地域経済の向上
 ○圏域への貢献
  そのため
大阪市内の事務はすべて大阪市が行うという覚悟のもと。

国や府からの権限と財源の移譲を進め住民の皆さんのための権限と自主財源を確保し、基礎自治体における主権を確立!

http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000110632.html#q3

 補完性の原理をさておき効率論ばかりが重視されて自治体のあり方が論じられるとすれば、個人的には違和感を覚えざるをえません。新潟州の構想も持ち上がったようですが、議論を進めるに当たっては十分な検討を行っていただければと思います。
 経済効率性と自治体のあり方については、昨秋に「全国小さくても輝く自治体フォーラム」で、大森彌先生(東京大学)から伺ったお話を思い出しました。

そもそも、経済効率性からだけでは「自治」は語れない。効率性からだけ考えれば中央集権が一番良いことになる。
自治体の存立を効率論から否定するのは生存権を否定するのに等しい。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20101025/p1

 また、基礎自治体の効率性は一定規模(20万人前後)で達成されることが統計上は示されていることに触れた上での「効率論の向こうにある意図に警戒心を持たなければいけない」というご指摘は傾聴すべきでしょう。
 一部の報道では、同構想を支持する府民には東京への対抗意識もある由でしたが、それが本当だとしても、例えば「東京都知事」というあまりに強大な行政庁の存在をはじめ、そもそも「東京都」という自治体のあり方がもっと論ぜられて良いかと思います。