ガンダムと日本人
聞いた話だと、blogの記事タイトルに「ガンダム」ってつけるとアクセス数が飛躍的に伸びるそうですが、どうなんだろうな。
- 作者: 多根 清史
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11/17
- メディア: 新書
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違うよ(ぴきぴきーん)、と思わず即答してしまいますが、稀代の政治家に比較されるほど、「ガンダム」には論じてみたい物語構造がある訳なのでしょう。
49年にソ連が核実験に成功し、50年に朝鮮戦争が勃発して世界情勢が緊迫の度を高めるにいたって、ようやく陸軍の弾道弾研究所にいたフォン・ブラウンのチームをはじめとして、ミサイル開発の動きのゴーサインが下されたのである。なめきっていた相手に常識をくつがえす新兵器を喉元に突きつけられて仕方なく、といういきさつは、人型兵器のザクに苦渋をなめさせられて、後追いでモビルスーツのガンダムやジムの開発を始めた連邦軍に似ているといえなくもない。
(122頁)
いや、それ、歴史と物語のなぞり方が逆だから。
ここで「似ているといえなくもない」って、書いている方も苦しそうですが、本書は題名に期待されるほど「日本人論」に突っ込めていないのが残念。ガンダムをネタにした四方山話と割り切れば楽しいのかな。
著者は京都大学の研究者ですが、過去の著作である
そこの方、表紙で引かないでください。
その内容はと言えば、できの悪いTVゲームを取り上げ、それを買ってしまったガッカリ感を含めておもしろおかしく紹介するもの。
私、TVゲームは全然やらないんですが、悲惨な状況をおもしろおかしく(そして前向きに)執筆する姿勢は、拙blogで目指す方向性の一つではあります(そうなの?)
なお、同著者による以下の書籍もおもしろい。
プレステ3はなぜ失敗したのか? (晋遊舎ブラック新書 002)
- 作者: 多根清史
- 出版社/メーカー: 晋遊舎
- 発売日: 2007/09/10
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※2011.05.23追記 当初掲載の前著の執筆陣にはご著者が含まれていませんでしたので、掲載書籍を差し替えさせていただきました<(_ _)>