「法学セミナー」11年7月号
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 雑誌
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今回は「放置自転車対策の特効薬? 行政上の義務の履行確保」と題しまして、拙blogをご覧の方はご存じの行政代執行のほか、義務履行確保ための制度設計について説明させていただいております。
さて、映画のDVDには「未公開シーン」と題されて、本編からカットされた場面が収録されていることがありますよね。今回のご案内ではそれに倣ってみましょう。
限りある紙幅での字数の整理により削除されてしまいましたが、今回の初稿における書き出しは以下のようでした。
後輩(女性)「駅前に自転車を止めて置いたら、撤去されちゃいましたぁ」(そういう風に話す人なのです)
私「あらら、駐輪禁止区域だったんだね」
後輩「保管所で引き取るとき、2,000円の罰金を払わないといけないんですぅ」
私「んー、厳密に言うと『罰金』じゃなんだよね。撤去とそれに伴う保管に関する原因者負担という考え方なんだ」
後輩「どう違うんですかぁ?」
私「だって、違反行為に対する罰則だったら、お金だけ払っても自転車を移動させなかったら、駅前はきれいにならないじゃない?」
後輩「あ、なるほどぉ」
文脈も整理され、残念ながら後輩さんの出番は無くなってしまいましたが、なかなか気になる展開でしょ?
書き出しを削ってしまったので、末尾の構成も大幅に変わってしまいました。DVDの収録に倣えば、こちらは「もう一つのエンディング」ですかね。
私「罰則としての金銭徴収を担保するため、自動車のように、現場での車輪止めを提唱する研究者もいるよ」※
後輩「そうなれば、取りに行く手間が省けますぅ」
私「でも、そうなると予防効果があるだけの金額が設定されることになるだろうから、結構な額になるんだろうね」
後輩「やっぱり、やですぅ」
※阿部泰隆『やわらか頭の法戦略』(第一法規)123‐125頁
公開版のエンディングはいかなるものになったのか。気になる方は是非劇場で(違うよ)ご確認ください。