自治体法務の備忘録

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Re:目的規定と趣旨規定

 洋々亭さんのところの掲示版の記事を引用して、標記の内容についてtihoujitiさんが記事を掲載されていました。

目的規定には、社会背景やら意気込み、目的、より高位の目的、理念・理想などを謳いあげることが多く、いわば「華麗な規定」といえるのかもしれません。あと、政治的な色彩がある程度はあるものであることも否定できないように思えます。
 一方、趣旨規定は、比較的あっさりで、シンプルであることが多いです。そういう意味では地味と言えるのかもしれませんし、あまり政治性はないように思えます。
http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20110823/p1

 ワタシも記事にしたことがあります(この書き方、tihoujitiさん風
【「目的規定」と「趣旨規定」 】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060220
【続・「目的規定」と「趣旨規程」】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060221
 一部改正法に目的規定が置かれるのは例外的、と説明の上で、参院法制局のコラムでは、平成6年の消費税率引き上げに関する法律を紹介しています

増税のように必ずしも人気の高くない内容の法律であっても、その必要性を訴えようとする法案起草者の必死の気持ちが伝わってくるようです。
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column078.htm

後輩「一部改正法でも、目的規定や趣旨規定ってあるんですね」
私「衆参ねじれ国会で平成23年度税制改正が年度を跨いだよね。急遽上程された『つなぎ法案』には趣旨規定があるよ」

【国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律案】
(趣旨)
第一条 この法律は、平成二十三年度の税制改正に係る地方税法等の一部を改正する法律案の法律としての施行が平成二十三年四月一日後となる場合に備え、その際の国民生活等の混乱を回避する観点から、同年三月三十一日に期限の到来する税負担軽減措置等について、その期限を暫定的に同年六月三十日まで延長する措置を講ずるため、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部改正について定めるものとする。

 法案の内容は、日切れの「平成23年3月31日」を「平成23年6月30日」に改正するという、規定としては単純であることに比して、ここでも趣旨規定に込められた立法者意図を読み解くべきでしょう。
私「一部改正法も、単なる技術的な手順ではなく独立した法律であるってことが、こんなところからも伺えるでしょ」