自治体法務の備忘録

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C.S.A〜南北戦争で南軍が勝っていたら?〜

 残業で帰宅後、たまたまつけたTOKYO-MXの「松嶋×町山 未公開映画を見るTV」で放送が始まったばかり。グッドタイミング。
 内容は、その題名のとおり。公式サイトには以下の説明があります。

もし、アメリカの南北戦争で南部が勝利していたらその後のアメリカは、世界は、どうなっていたのかの検証を試みた作品。しかしただのドキュメンタリーではなく、全編がイギリスのテレビ局が制作したアメリカ連合国の歴史を振り返るドキュメンタリー番組の体裁になっており、合間には色々なCMも入る偽ドキュメンタリー。
http://www.mikoukai.net/024_csa.html

 南軍が勝利していれば、当然、奴隷制度は廃止されず…
 白人以外の存在意義を認めない排他的な人種政策は、西海岸の中国人移民も奴隷として徴用します。
 また、メキシコや南米も領地に収めた「アメリカ連合国」は、30年代の世界恐慌を「奴隷貿易」で克服しようとします。
 アフリカ諸国に奴隷を「輸出」する国家があるのは驚きですが、疑似ニュースフィルムの中でその国家元首は「私が守るべきは自らの部族だ」「資本主義は同胞愛よりも価値がある」と、ぞっとする演説をします。アフリカで現在も続く内戦を思い起こさせるのが、制作者の巧みなところ。
 本編の合間に挟み込まれた疑似CMも秀逸です。反抗心を抑える奴隷向け精神薬(そのかわり命にかかわる副作用あり)や、逃亡防止のための無線付き腕輪など見ていて誠に不快になるものばかり。
 でも、この作品の怖さはそれだけではありません。本作を日本に紹介した町山智浩氏(映画評論家)の言葉を引用しましょう。

 この「CSA」という映画のいちばんのポイントは、「南軍が負けてアメリカはいい国になった」と思われているけど、実際は黒人差別は続いていたし、白人のキリスト教徒が政治に圧力かけてるし、実はあんまりかわってないよという皮肉なんですね。
(255頁)

 ぞっとする景色の向こうに見えるのは、戯画になった私達自身なのでしょうか。
 なお、本作はストリーミングで視聴可能です(有料)。ご興味ある方は、上記公式サイトをご確認ください。