自治体法務の備忘録

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解説 地域主権改革

解説 地域主権改革

解説 地域主権改革

 手元に届いたので、ざっと目を通しました。
 「一括法」の解説ではなく、「地域主権改革の解説なのね。
 第1次〜第3次勧告における議論の過程が詳述されており、執筆者は「本書が読者として想定する実務者の方々は、実益がないと感じることがあるかもしれない」と正直な記述(82頁)。
 とはいえ、執筆者は前述に続けて「実現しなかった項目を含めた『鳥瞰図』を持っておくことは、今回、実現した項目についての理解も一層深めることになろう」とも書かれています。
 私自身、勧告の経緯については、法律の制定後、まとまった資料として、
政権交代と自治の潮流 続・希望の自治体行政学

政権交代と自治の潮流 続・希望の自治体行政学

をあらためて読み返しましたが*1、本書は、その前後の、第一次地方分権改革(平成12年)や、勧告後から一括法の制定までの経緯が詳述されており、資料的価値は高い。
 国会での議論に際し、片山総務大臣(当時)が答弁された内容は、自治体議会におけるヒントにもなるのではないでしょうか。

*1:同書は「政策法務ファシリテータ」誌で、私が書評を書かせていただいております。