自治体法務の備忘録

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相談者としての政策法務

 お電話をいただいた旧知の元法務担当と久しぶりに交わす会話も楽しく、お互いの近況報告や情報交換に、法令改正に伴う例規整備にともに頭を絞ったことを思い出しました。
 氏は私が法制担当に赴任時に既に5年の法制経験があり、10年ものキャリアの約半分ずつ第1次分権改革の前後に跨がれることになります。
 現在は福祉部門で係長を務められる氏は以下のようにおっしゃっていました。
「私ね、役所に入って法制部門以外はずっと福祉部門で。振り返ると、法制でもやってた仕事って『ケースワーカー』だったな、と(笑)」
 いやそれ、すごい大事。
 「力業で方向性を見つけていますから」と冗談めかしておっしゃっていましたが、法制部門から異動された直後は数か月にわたって100時間を超える残業をされたと以前にも伺っており、現場におかれても適正な法運営の構築にご尽力されたことは疑いがありません。
 おそらく法律相談の折りも、相談者に意向を確認しながら、現状制度のもとで最善策を提示した手法についておっしゃっているのでしょう。
 自治体の法制職員は、「評論家」であってはなりません。
 以前に山本博史さん(千葉県)と食事をご一緒した際、法律相談に接する場合の心構えについて話題が及んだ際に、
窓口対応のトラブルのように見えても、聞くと法律の問題が見えることがあるんです。だから、相談はしっかり聞かなければいけない
とおっしゃっていたことを思い出しました。
 我が身を顧みて耳が痛い両者のお言葉ではありますが、法制部門に赴任されたばかりで相談に慣れていらっしゃらない方にも参考になるご意見ではないでしょうか。