自治体法務の備忘録

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「物語」を描く

 「地方財務」誌(ぎょうせい)12年5月号の特集「財政課の仕事 その心得とおすすめ図書」がものすごくよい記事です。法規審査について、どこかの雑誌で同様の特集組みませんか。
 中でも、阪正寛氏(北海道総合政策部政策局参事)が執筆された「心得5か条」の一つとして挙げられた「『物語』を描く」に心に残りました。
 法規審査に当たられる職員の方にも共通する姿勢かと思いますので、引用させていただきます。

課長査定などの場で要求事業を説明するためには、「物語」を描く必要がある。
 現状・課題や背景、経緯、要求の内容や考え方、目指すべき成果などはもちろんのこと、査定に当たっての自分の意見、さらには、要求との相違点などの全体を「物語化」するのである。
 特に、事業の必要性から成果まで、「物語」ができていないと、事業の説明、つまり査定に臨めない。また、「物語」が思い描けると、要求側にこちらの聞きたいことの意味が適切に伝えられるようにもなる。
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 ここで「『物語』を描く」とは、「どうあるべきか」「何ができるか」について自分で行うシミュレーションなのだと思います。
 ただ、シミュレーションに「血が通ったもの」でなければ人は納得させられないし、また、自分も納得してはいけない。それが「物語」に込められた思いなのではないかと自分なりに理解するところです。