自治体法務の備忘録

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Live! 政策法務 in Syounai 2012

 昨年度に引き続き(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20110721/p1)、山形県の庄内広域行政組合さんにおじゃまし、政策法務研修の講師を務めさせていただきました。組合構成市町の若い職員の方々を対象に、19日・20日の丸2日にわたるプログラムです。
 法令・例規の基本的な構造と関係性について説明させていただいた上で、行政手法*1の種類と効果的な適用について演習を行いました。
 行政手法について参考にさせていただいているのが、

行政手法ガイドブック―政策法務のツールを学ぼう (自治体法務サポート ブックレット・シリーズ)

行政手法ガイドブック―政策法務のツールを学ぼう (自治体法務サポート ブックレット・シリーズ)

 実際のところ、自治体職員が役所人生で政策的な条例の制定に携わる機会は多くないはずです。必要なのは、既存の法令との関係でどのように行政手法を効果的に実施するかという発想です。
 行政手法の適用に先立って、事案から行政課題を摘出する演習も行います。物事を論理的に考える手法を身につけようとするものです。*2
 それにしてもグループワークの演習は「生き物」なので楽しい。演習中のコメントや発表に対する講評は、講義と違ってシナリオがありません。
 私の拙い説明でどれだけ参加者の方々に政策法務の理解が深まったかは不安な気持ちがありますが、何らかお仕事の役に立てることができたら、これに勝る喜びはありません。
 なお、写真は米の保管のため明治26年に建設された酒田市の山居倉庫です。回船で栄えたまちの歴史を見守ったケヤキ並木が美しい。
 実は夏休み直前の金曜の晩は帰りの飛行機が予約できず、思わぬ延泊。庄内広域行政組合の後藤さんのご厚意により、市内をご案内いただきました。誠にありがとうございます<(_ _)>

*1:計画や補助金、民間活力の活用などの規制によらない手法や、許可制度や罰則など規制による手法など

*2:大枠を与えて具体的な事例を各グループで創造した上で、問題として発生した行政課題を抽象化するとともに、目指すべき方向性を明らかにしようとします。