自治体法務の備忘録

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「反問」と「反論」

 牧瀬稔先生(地域開発研究所)からおもしろい話を聞いたよー、庁内の人から情報提供がありました。
松阪市三重県)の議会基本条例って、『反問権』だけじゃなくて『反論権』があるんだって」
 ほーお、と思って松坂市のサイトを確認しました。条例案までは確認できませんでしたが、今夏に実施されたパブリックコメントへの掲載資料が確認できました。実施の結果を見ても、その内容に大幅な変更はなさそうです(http://www.city.matsusaka.mie.jp/www/contents/1339651933202/files/joreisoan.pdf)。

(反問権及び反論権)
第10 条 市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問に対して論点を明確にするため反問することができる。
2 市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員又は委員会による条例の提案、議案の修正、決議等に対して反論することができる。

 「反問権」について規定する議会基本条例は少なくありません。
 て優香(牧瀬先生の真似)「反問」とは言いながら、その性格は、質問内容の確認など「議事の整理」を目的としたものかと理解していたところです。これが「反論権」となると、随分と踏み込んだ判断を感じます。
 条文の解説には、以下のように記載があります。

「反論権」とは
議会の審議において、議長又は委員長の許可を得て、議員又は委員会からの条例の提案、議案の修正、決議等に対して、反対の意見や建設的な意見を述べることができる発言権のことをいいます。

 パブリックコメントで寄せられた意見の中には、否定的な見解に対し、「反論権を設けることによって、議会審議に積極的な意義をもたらすものと考えます」と積極的な説明がなされています(http://www.city.matsusaka.mie.jp/www/contents/1339651933202/files/pubcom.pdf)。
 松阪市では、この3月に自治基本条例が否決された経緯があったりします。執行部と議会で積極的な政策競争が行われる端緒として興味深いところです。