自治体法務の備忘録

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007 スカイフォール

 それでも週末は時間と見つけてレイトショーに滑り込みました。
 同世代のD・クレイグが3作目の主演を務める、人気シリーズの最新作です。
 ネットで見かけた批評では、英国の諜報組織であるMI6を擬似的家族と見なし、その母性を引き受ける「M」(ジェームズ・ボンドの上司)を巡り、ボンドと敵役がその寵愛を巡り矮小な戦いを繰り広げる、との解説がありましたが、どうしてどうして。
 個人的には、「組織において個人がプライドをもって行う仕事の尊さ」と訴えかけるように思えました。確かに今回の敵役は、偏執的なMへの執着を見せますが、一方のボンドにおいてはどうなのか。
 冒頭、事故によって殉職したと見なされたボンドはそのまま姿をくらまして平穏な生活を送ることもできたはず。傷も癒えない身でありながら現場に復帰したのは、自己の職務に対する思いではないでしょうか。
 しかし、単に「組織人」として与えられた任務を達成しようとするとき、彼は手ひどい失敗を起こします(詳しい内容は見てのお楽しみ*1
 それを挽回するのは、「組織において、自己の実現をどのように達成するか」という自己への問いかけと実践です。*2自分の過去への振り返りと、職務のためのその払拭が感動的です。
 ヒーローの存在意義や心理描写まで踏み込んだ作品としては、アメコミ・ヒーローであるバットマンを題材にした「ダーク・ナイト」が高い評価を得ていますが、本作もなかなか見応えがありました。
 もって我が身の糧に、いやごほんごほん。
 それにしても本作のラストには、ますます次作が楽しみです。

*1:当然のことながら、復帰した、仲間に助けられてハッピー!な展開にはなりません。

*2:この点、「はぐれスパイ」としての個人の復讐物語である、シリーズ中の「消されたライセンス」とは異なる。