自治体法務の備忘録

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Re:【1471冊目】デヴィッド・ギルモア『父と息子のフィルム・クラブ』

 なんたる偶然。
 この間の週末に読み終えたばかりで、図書館から借りてまだ手元にある本をhachiro86さんが取り上げられていました(http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20130123)。

父と息子のフィルム・クラブ

父と息子のフィルム・クラブ

 実は、あまりのおもしろさに「hachiro86さーん、おもしろい本があったよー」と呼びかけようとしていたところだったのです。
 高校を退学した息子に映画評論家である父親が約束させたのは2つ。一つはドラッグには手を出さないこと。もう一つは、週に3本、自分と映画を見ること…
 hachiro86さんもご指摘されていますが、本書が感動的なのは、父親が息子に「自分ができること」でまっすぐに向かい合う姿勢です。私は、依頼人から思春期の少年を預かることになった私立探偵が、得意のボクシングと料理を教えることで自立を促す「初秋」(R・B・パーカー)を思い出しました(これも名作!)。
 なお、私が本書を知るきっかけとなったのは、深夜放送のポッドキャスト配信でした。本書を巡るやりとりにご興味ある方はご試聴ください。

【サタデーナイトラボ「秋の推薦図書特集」前編】
毎年恒例、春と秋にお送りしているタマフル推薦図書。
今夜のゲストは、海外文学に詳しい、人気ブロガーの伊藤聡さんです。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2012/10/929_2.html

 上記配信の後編はこちら→http://www.tbsradio.jp/utamaru/2012/10/929_3.html
 私自身の父との関わりを振り返ると、その晩年、洋画のリバイバル上映を良く観に行ったことを思い出します。「荒野の七人」「大脱走」「ゴッドファーザーI・II」…
 あの頃の父は、私との映画鑑賞(それと鑑賞後のディナー!)でどのような気持ちであったかと考えてみると、自分の子どももある程度大きく今、あらためて感慨深くあります。
 本書で著者は、息子に自分が何が教えられたかわからない、とも書きますが、私自身の「フィルム・クラブ」の思い出は、何物にも代えられない宝石のような宝物です。
 翻ってさて、俺は息子に何を教えられるかなぁ…