自治体法務の備忘録

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書き続ける意味

 さて、舞台裏をお話しするのは、あまりスマートではありませんし、これが手品師だったら目も当てられません。それでも、ちょっとだけ私の手の内をお見せしましょうか。
 先日の「かながわ政策法務研究会」江ノ島合宿で、何人かの方々から「調べものの検索をすると、備忘録がヒットするんですよ」と、ありがたいお言葉をいただきました。
 確かに、自治体職員で知識や情報を共有するのはblog立ち上げ時の目的でありましたし、その後も多くの方々と交流させていただき自らの研鑽につながったのは事実です。
 でも、細々ながら現在も更新を続けていられるのは、それだけが原因ではありません。
 「法学セミナー」誌の連載終了時、打ち上げの忘年会で「kei-zuさんの執筆の動機は何ですか?」と聞かれ、大役を務め終えた安心から、ぽろっと出てしまった言葉があります。
「私は、どんなものを書くときでも、読む人に『あなたは、そこにいていいんだ』と語りかける気持ちでいます」
 これは、年少期から私が抱え続けた「生きづらさ」(というと大げさですが)を顧みて、それを同様に感じていらっしゃる方がいらっしゃれば、と思うところによります。
 私の「商業誌デビュー」は「地方自治職員研修」誌における「学ぶ職員・発信する職員」と題した一文であったのですけれど、今だから言えますが、出版社のオーダーに応えられた自信は、ちょっとない。求められたであろう、インターネットで情報発信する「積極的な公務員像」を意図的に避けたからです。
 というのは、「私はこう調べて、こうやっている。こうやればあなたもできる」と当初に書き連ねたものを読み返し、「お前の自慢話かよ」とセルフつっこみが入ったのですね。結果、草稿を書き直し、自治体職員が学ぶのは時代の必然であるし、これを読んでいるあなたも発信の主体になりうる。私はその一例にすぎない」と構成を全部ひっくり返したのです。
 私は、私がいる立場で、私に近い立場の方に届く言葉しか語る手段を持ちません。それでも、拙文をお読みの皆さんに語りかけたいのは、やはり上記の言葉であるわけです。
 私自身も職務が変わって2年近くが経過し、なかなか時期に応じた更新もつらくなっていますが、まあ、ぼちぼち書き続けていけたらな、と思うところ。
 どうぞ、引き続きよろしくご愛顧ください。