自治体法務の備忘録

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基金の債券運用

後輩「債券って、途中解約だと元本割れするんじゃありません?」
私「国債や市場公募債に『途中解約』はないよ。償還期間の途中で『現金が必要になった! 誰かこれ買ってくんない?』と現金化するわけ」
後輩「?」
私「債権は市場の動向で値段が上がりも下がりもする。人気がなければ買入価格を下回るし、人気があれば上回ることもある」
後輩「そんな不確かなもの買っていいんですか?」
私「だから、基本的には、償還まで保有することが前提。また、基金の総資金量のうちどれだけを割り振るかは、内規などで客観的な管理が必要になる」
後輩「新聞記事だと、利回りの有利性について触れられていますが」
私「利回りについては、買い入れの際に、買入価格と償還までの利子を念頭に置く必要があるね。ただ、債券の価格は金利の動向と一致するから、一概に有利とは言えない。メリットとしては、ペイオフ対策の方が、やっぱり大きいかな」
後輩「なるほど」
私「ついでに言うと、買い入れに際しても、公募の当初から手を上げる必要はない。国債でも市場公募債でも、市場に出回っている発行済みのものから償還時期など条件に合うものを選択すれば良いわけ」
後輩「へーえ」
 前職の金融機関で学んだ知識がこんなところで役に立とうとは。