自治体法務の備忘録

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債券価格と長期金利の関係

後輩「既に利率が決まっている債券の価格が上下するって、おもしろいですね」
私「市場価格で上下するのは、大根や豚肉なんかと変わらないんだよ。債券価格の上下は、長期金利にも影響を与える」
後輩「?」
私「100万円の債券が人気によって、例えば95万円〜105万円で上下する。これは分かるね」
後輩「はい。100万円の債券には、半年ごとに一定の利息がもらえますから、100万以上で売買されることもある」
私「そうそう。元本に利息を含めた額を仮に120万円としよう。債券人気が高く、105万円で買い入れた場合は差額の15万円しか利益が出ないけど、低い場合は25万円の利益が出る。これを償還期間で割れば、実利率が出るわけだ」
後輩「分かります」
私「新規の債券を発行する際は、この実利率に応じた利率で発行することになる」
後輩「なんで?」
私「買い手が付かないじゃん」
後輩「なるほど」
私「国債の新規発行利率は長期金利に影響を与える。資産運用において債券の買い入れと銀行への預金はトレードオフだし、銀行にとっても債券購入は長期運用の重要な手段の一つだからね」
後輩「うーん。金融って生き物ですね」
私「そのほか、投機筋による巨大なマネーの動きもあるから単純な図式は書きにくくて、また、いわゆる『金融工学』の導入により最近は複雑さを増している様相がある」
 うちのような田舎の自治体でも世界のマネーの動向にぶら下がっていると思うと嘆息を禁じえませんな。